進学や就職、結婚、転勤など引っ越しで賃貸住宅を探す際に「できれば家賃の安い物件がいい」と考えます。
しかし、安い賃貸は家賃の節約にならないことが多いです。それどころか、コスパが悪く「かえって高くつく」と後悔してしまうこともあります。
転勤で安い物件を安易に選んで大失敗してしまった私が「安い賃貸こそコスパが悪い」理由をお伝えします。

目次
「安い物件」「高い物件」どちらの賃貸住宅が得なのか
家賃:6万7,000円
敷金:0円
礼金:10万円(家賃1か月分フリー)
家賃:8万5,000円
敷金:20万円
礼金:25万円
どちらも居住面積は同じで、駐車場代込みとします。家族構成は「夫婦+幼児2人」です。
「節約したいから、家賃6万7,000円の物件にしよう」と考えます。
築7年の庭つきで敷金ゼロ、さらに家賃1か月分フリーとなると、お得な物件に見えてしまいます。
安い賃貸こそコスパが悪い理由
2つの物件の家賃の差額は1万8,000円です。家計を節約したい私は、もちろん安いほうの物件を選びました。
しかし、当時の私は安い賃貸にはカラクリがあるということを知りませんでした。
ここからは、「安い賃貸こそコスパが悪い」理由を紹介します。
理由1. 敷金ゼロは人気のない証拠
敷金が0円であれば初期費用が安くなるので、節約につながるような気がします。しかし、この条件は決してお得ではありません。
敷金ゼロの安い賃貸住宅は人気のない物件だからこそだったです。実際に引っ越してみると住環境が良いとは言えず、空室の多い物件でした。
理由2. 入居審査が甘くなる
築7年で空室の多い賃貸住宅は、相当に人気のない物件だと考えられます。
そのうちに入居審査が甘くなったのか、その後入居された家族には、毎日玄関ドアの前でタバコを吸ったり、騒いだりする困ったご近所さんとなりました。
理由3. 賃貸の築7年は決してキレイではない
戸建てや分譲マンションの場合には、築7年でもまだまだ新しいと感じます。しかし、賃貸住宅の築7年は微妙です。
賃貸住宅は、外見はオシャレでも中身はコストカットして建てられています。何世帯かが入居した後でもあるので、室内はかなり劣化していました。

理由4. 退去費用の請求額が大きかった
敷金ゼロの賃貸は退去のときが大変です。元からキレイではなかったにも拘らず、どうやら、退去時に20万円ほど請求されたようです。
転勤で借りた賃貸住宅だったので会社が支払ってくれましたが、敷金ゼロは最初が安くても意味がないと思いました。
理由5. 敷金ゼロは家賃に上乗せして回収する
敷金ゼロ賃貸は、家賃を少し高めに設定するのだそうです。
どのくらい上乗せされていたのかは分りませんが、甘い話にはカラクリがあるということなのでしょう。
私が安いと思って借りた物件は、結果的には高くてとてもコスパの悪い物件でした。
理由6. 事故物件だった
私が家賃の安さに目がくらんで安易に借りてしまった物件は、こともあろうに事故物件でした。
引っ越して2年ほど経ったある日、近所の方が教えてくれました。前の方が居住していた際に、泥棒がキッチンダイニングの窓を破って侵入したそうです。
キッチンダイニングの窓だけが他の部屋の窓と種類が違っていて、違和感がありました。
聞いてないのもありますが、賃貸契約時に仲介業者からそういった申告はありませんでした。
「安い賃貸には裏がある」よく考えて契約する
安い賃貸【物件A】を借りて大後悔した私は、その後【物件B】に自腹で引っ越しました。辞令待ちだったためです。
初期費用と家賃はけっこうな金額でしたが、住み心地はかなりよかったと言えます。
その後の転勤では、金額が高くても新しい物件に入ることを心がけ、住環境に後悔することはありませんでした。
安い賃貸のコスパはあまりよくありません。みなさんも、賃貸契約する際にこの失敗談を参考にしてみてください。(執筆者:隼瀬 恭子)