皆さんは、自動車保険に加入する際にどこに重点を置いていますか。
・ 保険料が安い
・ 補償内容がしっかりしている
・ 知り合いに頼まれた
それぞれ違いはありますが、「知り合いに頼まれたからなんとなくそこでかけている」このような理由から加入している人は決して少なくありません。
そのために自動車保険の会社を変える人がいます。しかし、変える時期を誤ると保険料を損してしまう場合があるのです。
今回は、自動車保険の会社を変えるタイミングや注意点について解説していきます。
目次
等級継承は引き継ぐタイミング次第で損をする
自動車保険は、新規に加入すると6等級からスタートします。その後に事故がなければ1等級上がります。
最高20等級(会社によって22等級)割引率63%まで上がるには、14年間保険を使わなければならないということが分かります。
自動車保険は保険を使わずに長い年月をかけて割引を得られるので、ここからも解約自体が損になることが分かります。
それでは、わたしが実際取り扱った例を紹介します。
自動車保険会社変更の事例
Aさんは、9等級(事故なし)の自動車保険に加入していました。
10月が満期でしたが、「現在契約中の保険代理店の保険から、違う代理店のものに満期を待たずに7月に切り替えたい。等級はそのまま引き継がれるのか?」いう相談を受けたのです。
Aさんの保険は10月満期なので、残り3か月の間に事故がなければ10等級になります。現在の保険料が月払いで6,000円、10等級になると約5,500円になるとのことでした。
私が試算すると、保険料は9等級6,000円でしたが、10等級では5,210円でした。
しかし、7月に解約して乗り換えてしまうと、7月から9等級が再度スタートするので10等級になるまでの期間が延びることになります。
本来であれば10月から5,210円になる保険料も解約にすることで8か月が長くなり、6,320円余分な保険料を支払うことになるのです。
また、この間に事故を起こして保険を使えば保険料は高額となるのです。
わたしは保険を切り替えるのであれば、
ことをすすめました。これであれば解約する必要もなく無駄な保険料を払う必要もありません。
年払いにしている人は特に注意する
自動車保険は月払いにすると割高なので年払いにしている人もいます。しかし、年払いの人は解約をする際に特に注意が必要です。
「保険解約=日割計算」と考えますが、任意解約の場合には残りの保険期間に対し、短期率で計算した保険料が解約返戻金として戻されます。
中途更新解約という解約と同時に加入する場合には月割や日割で保険料を一度払い戻すこともあるようですが、解約に関してはこの返戻の計算は稀です。
短期率で損をしないようにするためには解約のタイミングがポイントです。
保険開始期の日が15日の場合、毎月15日を区切りとして解約をします。
たとえば、16日に解約しても次月15日までの保険料も徴収されるので保険会社を変えると損をする場合があるのです。
「任意解約のみ」というのは、結果的には保険料を2つの会社に払うことになる可能性もあるので注意が必要です。
途中解約で保険料は却って高くなる
今回は、自動車保険を見直すタイミングや解約、乗り換えの注意点について解説しました。
自動車保険を付き合いで加入している人は多くいるようですが、安くなるからといって途中で解約して乗り換えてしまうと却って保険料を高く支払うことになる場合があるのです。
近年では自由化によってさまざまなプランや特約が販売されているため、1年更新で加入するほうが見直しやすくなっています。
また、保険会社を変えたい場合でも1年後の更新を待って他の保険会社で加入すれば無駄な保険料を支払わずにすむのです。
保険期間途中での任意解約は保険料の計算や返還に十分注意し、保険会社を変えるタイミングは更新時にすることが損をせずに済むの方法です。(執筆者:自動車会社経営25年 河野 みゆき)