ジュニアNISAは、2016年1月からスタートした未成年者対象の少額投資非課税制度です。
始まった当初は大きな話題となりましたが、残念ながらこの度ジュニアNISAは2023年(令和5年)をもって廃止が決まっています。
しかし、数年後に廃止が決まっているからと言って、「もう少し早くやっておくべきだったな」と悲観する必要はありません。
今だからこそ、ジュニアNISAを始めるメリットがあります。
実際、廃止が決まってから駆け込みで始めた人もたくさんいるようです。
そこで、今回はジュニアNISAの魅力や今から始めるメリットについてご紹介します。
廃止になってから後悔しないよう、ぜひ今のうちにチェックしておきましょう。
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目次
ジュニアNISAとはどんな制度?
まずは、ジュニアNISAがどのような制度であるのかを簡単におさらいしておきましょう。
そもそもジュニアNISAとは
冒頭でも紹介したように、ジュニアNISAとは、未成年者を対象として制定された少額投資非課税制度です。
ジュニアNISAは、子ども(0~19歳の未成年が対象)の将来のための資産を準備したいという家庭向けに始まったものであり、口座名義は子どもですが、実際の運用を管理するのは両親もしくは祖父母となります。
非課税投資枠は、年間80万円で最長5年間であるため、最大400万円まで利用可能です。
また、基本的に子どもが18歳になるまでは払い出しできない点もジュニアNISAの大きな特徴です。
なぜジュニアNISAは廃止となるのか
両親がすでにNISA口座を保有していても非課税投資枠を増やせるとして、ジュニアNISAが始まった当初は大きな注目を集めていました。
しかし、それにも関わらずなぜ2023年に廃止することが決まってしまったのか。
これにはさまざまな見方がありますが、その1つに使い勝手の悪さが挙げられています。
もともとジュニアNISAは、未成年者が18歳になるまでは原則投資した資金を払い出しできない仕組みです。
つまり、子どもが小さいうちから始めた場合は、その分長期間据え置かなければなりません。
払い出しが可能となる18歳と言えば、大学に入学する年齢です。
つまり、中学や高校の入学金や授業料には充当できないことになります。
この点を使いにくいと感じたりデメリットと捉えたりする人も少なくありませんでした。
実際、一般NISAの口座は約1,445万口座あるのに対し、ジュニアNISAは約38万口座と登録口座数は少ない状況となっています。
参照:金融庁(pdf)
廃止が決まった今こそジュニアNISAを始めるべき理由
NISAは18歳まで払い出しできない点がデメリットとなり、加入数が伸び悩んでいました。
しかし、2023年に廃止が決まったことによって、2024年(令和6年)1月1日以降は年齢に関わらずいつでも払い出しできるように変更となりました。
そのため、これまで払い出し制限がネックで悩んでいたという家庭にとっては、廃止が決まったことによってジュニアNISAの自由度が高くなり反対に使い勝手がよい商品へと変わったと言えます。
2021年中にジュニアNISAを開設した場合
例えば、2021年中にジュニアNISAを解説した場合を考えてみましょう。
3年間 × 80万円で最大で240万円まで非課税で運用が可能となります。
本来であれば運用で得た利益には、20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)課税されますが、これが非課税になるというのは大きなメリットです。
また、2024年以降は必要なときに払い出しもできます。
非課税期間の5年間を終えても保有したい場合は、ロールオーバーを活用すれば、継続管理勘定に移行してそのまま運用できるため、20歳になるまで非課税で保有し続けることも可能です。
そのため、子どもの教育資金としてはもちろん、孫への生前贈与としておじいちゃんやおばあちゃんが利用するケースもあります。
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駆け込みで加入するなら口座開設も早めが吉
ジュニアNISAの1年間の区切りは1~12月となっています。
そのため、240万円という非課税枠を最大で利用したい場合は、12月までには口座を開設しておく必要があります。
ただし、口座開設するにあたっては税務署の審査を要するため、金融機関によっては3~4週間の期間がかかってしまう場合もあるようです。
また、商品によってはクリスマス休暇等で、年末に買い付けできないケースもあります。
ギリギリに動き出して間に合わなかったとならないよう、余裕を持ってなるべく早めに開設手続きを済ませておくようにしましょう。
ジュニアNISAは今から始めてもまだ間に合う
ジュニアNISAはこれまで最大のネックとも言われていた18歳までの払い出し制限が撤廃されることにより、自由度が高くなり魅力度も増しました。
ジュニアNISA自体の廃止は決まっているものの、まだ3年の猶予があります。
ぜひこれまで悩んでいた人は、これを機に検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:元銀行員 吉村 みき子)