「いつかはちゃんと教えなければいけない」と思いながら、何となく後回しになってしまうのが子どもへのマネー教育です。
生きていくためには欠かすことのできない大切なお金のことなのですが、分かってはいても「何をどうやって教えたらよいのか…」と躊躇してしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は「楽しく学べる」ことをポイントに、子ども向けのマネー教育に役立つコンテンツやアイテムを紹介します。
お堅いイメージのある日銀や国税庁、金融庁などからも、分かりやすく学べるコンテンツが提供されているので、のぞいてみてください。
目次
【日本銀行】
まずは、日本銀行から見ていきましょう。
「にちぎん・キッズ」
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お金の基本をマンガで学べるコンテンツです。子ども目線でお金の疑問について分かりやすく解説しています。
「お金ってなに?」:
お金はどこから生まれてくるのか、どうしてお金が必要なのかといった素朴な疑問を取り扱っているコーナーです。
偽札防止の仕組みも紹介されていて、大人でも楽しめる内容です。
「お金のながれ」:
銀行にお金を預けるプロセスやメリット、送金の仕組み、銀行の役割など、お金の流れについて学べるコーナーです。
お金博物館では貨幣や紙幣の種類、それぞれの大きさや発行開始年などが詳しく紹介されています。
「お金のかち(物価の安定)」:
物の値段の決まり方、インフレとデフレ、好景気と不景気、そしてその状況に応じて行われる金融政策について紹介しています。子どもと一緒に大人も学べる内容です。
「おうちミュージアム」
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貨幣の歴史や役割、文化や社会との関わりなどについて学べる貨幣博物館をおうちで楽しめるコンテンツを公開しています。
展示資料が見られるデジタルブック「貨幣博物館 常設展示図録」や館内で聞く音声ガイドもスマホやタブレットからアクセスできるようになっています。
貨幣博物館ワークシートでは判じ絵や錦絵を見ながらのクイズ、福を招く福神絵など大人でも楽しめる塗り絵、お金にまつわることわざ、昔のお金や折り紙の財布を作って遊ぶコーナーなど、子どもも大人も楽しめるコンテンツが充実しています。
縁起物や七福神の塗り絵、福を呼ぶうちわ作りなどで、楽しく学びながらたくさんの福も呼び込みましょう。
日本銀行ではこのほかにも、お金の歴史や紙幣・貨幣のことを詳しく学べる「お金の話あれこれ」や、国指定重要文化財である日本銀行本店本館の見学コースをオンラインで楽しめる「おうちで、にちぎん」などのコンテンツを公開しています。
【国税庁】
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国税庁のホームページでは「税の学習コーナー」というコンテンツを公開しています。年齢それぞれに合った分かりやすい内容です。
入門編(小学生向け):
「税って何だろう?」「税って何に使われているの?」「将来の税はどうなるの?」という3つの視点から税金について分かりやすく紹介しています。
発展編(中学生向け):
「税のしくみ」「国の財政」「これからの社会と税」を学びます。少子高齢化の影響や日本の財政の現状と課題、税の国際比較など税金の役割について詳しく紹介しています。
応用編(高校生向け):
「暮らしの中の税」「なぜ、税を納めなければならないのでしょうか」「これからの社会と税」といった内容について歴史を交えながら紹介しています。アメリカや日本の税のエピソード、国税庁・国税局・税務署の仕事、社会保障と税の一体改革など、より踏み込んだ内容について学べます。
実践編(高校生以上向け):
「申告書を作成してみよう」という実践形式の内容で、申告書の説明や記入方法を紹介しています。控除額や税額の計算方法も解説しています。
このほかにもゲームやクイズ方式で税について学べるコンテンツや、低学年の子どもにも分かりやすい紙しばい・絵本のコーナーなども公開されています。
【金融庁】
次に、金融庁を見てみましょう。
「うんこお金ドリル」
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子どもに大人気の「うんこドリル」と金融庁がコラボした小学生向けコンテンツが「うんこお金ドリル」です。
シーン別の行動をクイズ形式で出題し、答えのページではその理由についても分かりやすく解説しています。
「カネールのKIN☆YOU(きんゆう)ランド
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お金に関する知識をゲームやクイズで学べるコンテンツです。カネールというキャラクターをメインに金融について分かりやすく紹介しています。
暮らしとお金の関係を紹介する「カネールのお金ぐるぐるストーリー」や、大人も楽しめる「クイズ!パネルDEカネール」や「ゲーム金融カルタ」など、親子一緒にチャレンジできる内容です。
【家族で遊びながらお金を学べるボードゲーム】
ここからは、お金を学べるボードゲームの紹介です。
学研「どうぶつ村のおかいものゲーム」
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すごろくでお金の価値と使い方を学べるゲームです。
・ お手伝いをしながらお金を貯めて高額な買い物を体験できる小学生向けのタイプ
の2種類のすごろくが楽しめます。
どうぶつ村を旅しながら、ユニークなお買い物やアクシデントなどを通し、楽しみながらお金の計算力が身に付きます。さらにお金の種類やお金の大小といった基本的なお金の使い方が学べるミニゲームも付いています。
価格も1,320円とリーズナブルなので、マネーの教育のスタートアイテムとしてもおすすめです。
ピープル「おかねがたまる!ハンバーガー屋さん」
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子どもたちが大好きなハンバーガーを作って、売って、お金の大切さを学べるボードゲームです。
100円玉5枚を持ってゲームスタートし、ルーレットを回してハンバーガーのレシピの材料を集めます。材料が揃ったらハンバーガーを作って販売し、最後に100円玉を1番多く持っている人が勝ちという幼児にも分かりやすいゲームです。
商売の仕組みも学べて、100円の大切さを実感できます。お金を増やすためにはどうすればよいのかを考えるきっかけにもなるゲームです。
価格.comでの参考最安価格は1,579円です。
マイクロマガジン社「キャッシュフロー・フォーキッズ」
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このゲームは金融・財務・投資を学べる世界初のファイナンシャル教育ボードゲームです。
お金についての基礎知識はもちろんですが、起業や投資など「お金を自分のために働かせる方法」をプレーしながら楽しく学べます。
「金持ち父さん貧乏父さん」の著者であるロバート・キヨサキ氏が考案して世界各国で大きな反響を呼んだ、マネー教育のアイテムとしても人気の商品です。
価格は1万780円とやや高めではありますが、ファイナンシャルIQを伸ばしたいと考えている方にはおすすめです。
No.1社会体験アプリ「ごっこランド」
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「ごっこランド」は、実在する企業40社以上のお仕事体験をできる社会体験アプリです。
マクドナルド、スシロー、ほっともっと、JAL、JR東日本、インターネット花キューピット、BOOK-OFF、スギ薬局、EDWINなどさまざまなジャンルの企業が出店していて、作業の手順や接客、会計といった職業疑似体験を楽しめます。
企業やブランドの伝えたいメッセージを体験コンテンツ化、理解や共感を深める狙いもあり、疑似体験を楽しむ子どもと出店側の双方にとってメリットの大きい知育アプリです。
お金を得るために必要不可欠な「仕事」や「職業」というものの仕組みを、リアルに楽しみながら知ることができます。
「ごっこランド」には今後もさまざまな企業が出店を予定しているので、さらに注目の集まる人気のコンテンツとなることでしょう。
家族でオープンに話し合える環境作り
子どもはもちろんですが、大人も楽しく学べる「マネー教育」に役立つコンテンツやゲームは、学校や家庭で教えてもらわなかった大人世代にとっても「これからの人生」に必要不可欠な知識が得られる内容です。
生きていくうえで欠かすことのできないお金の話だからこそ、こういったアイテムを上手に利用して、家族でオープンに話し合える環境を作っていきましょう。(執筆者:藤 なつき)