車を所有しているとさまざまな費用が必要になりますが、なかでも数万~数十万円とそれなりの費用が必要となるのが車検です。
車を所有している人は必ず受けなければならず、車種に関わらず2~3年の頻度で車検を受けるタイミングがやってきます。
そのため、「家計へのダメージが大きい」「どうにか安く抑えられたらいいのに」と感じている人も多いのではないでしょうか。
そのような人のために、今回は車検の費用における節約テクニックを紹介します。
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目次
車検とは? 必要な理由
まずは何となく車検を受けているという人のために、車検の基本について確認しておきましょう。
車検を受ける必要性
車検の正式名は「自動車検査登録制度」です。
国が定めている保安基準に適合した車であるかどうかをチェックするために、定期的に実施される検査・点検のことを指します。
車検を受けなければならないタイミングは、車種や車検回数によって異なります。
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車検の有効期限が過ぎた車で公道を走ると、それは「無車検車運行」という罰則の対象で、次のような処分を受けなければなりません。
・ 違反点数6点
・ 免許停止処分
さらに、もしも車検切れで事故を起こしてしまうと、自賠責保険が適用とならないため全額賠償しなければなりません。
自身の命を守るためにも、また違反を起こさないためにも、車検は期限内に必ず受けるようにしましょう。
車検にかかる費用
車検にかかる費用の内訳には次のようなものがあります。
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法定費用は法律によって定められているものであり金額は変わりませんが、車検基本費用や部品交換費用、手数料等については業者によって取り分が変わってくるため、工夫次第で節約できる部分です。
では、次で車検費用の節約テクニックについて詳しく見ていきましょう。
車検費用「5つの節約テクニック」
実際に車検費用節約テクニックにはどのような方法があるのでしょうか。
1. ディーラー以外での車検も検討してみる
車検を受ける場所を吟味してみるのも方法です。
自動車ディーラー
自動車の購入元である自動車ディーラーにいつも車検を依頼しているという人も多いのではないでしょうか。
ディーラーには、その車種やメーカーに精通したスタッフがいるので安心して任せられる点が魅力です。
また、整備に純正パーツが使用される点やガソリンを満タンにしてくれたり洗車をプレゼントしてくれたりと車検に付帯するサービスが充実している点も、ディーラーの車検ならではと言えることでしょう。
しかし、その反面、ディーラーでの車検費用は他業者と比較すると高い傾向にあります。
費用はかかっても品質や信頼性を重視したい人ならディーラーはおすすめですが、費用を抑えたいという人の場合には、他業者で受けることも検討してみるとよいでしょう。
場所によっては、ディーラーよりも2~6万円ほど安くなる場合もあるようです。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは、提携している整備工場に持ち出して点検されるケースが多いのですが、車検費用はディーラーよりも安い傾向にあります。
近隣にディーラーがない場合にも便利なほか、ガソリンを入れに来たついでに気軽に申込できる点も魅力です。
ただし、依頼する店舗や担当者によっては、作業の質に差が出てしまう場合もあります。
カー用品店
カー用品店でも車検を代行している店舗が多くあります。車における商品を豊富に扱っていて、幅広いメーカーや車種に柔軟に対応してくれます。
また、なかには国から承認を受けている認証工場もあり、この場合高い品質の検査を受けられながらも費用はディーラーよりも安く抑えられることでしょう。
車検専門店
車検を専門としていて、低価格そして作業効率も早いのが特徴です。
ただし、車に不具合が見つかり修理や部品交換が必要となった場合には、別の場所で作業が必要となるケースもあります。
2. ユーザー車検を受ける
上記で紹介した業者に依頼する方法以外にも、「ユーザー車検」というものがあります。
これは自分ですべての手続きを行う方法で、書類の準備や提出をはじめ、運輸支局への車の持ち込み、不備があった際の調整や修理等までを担わなければなりません。
手間や知識はかかってしまいますが、法定費用のみの支払いで済むため最も費用は安く抑えられることでしょう。
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3. 割引サービスをチェックしてみる
車検を行っている業者のなかには、割引サービスを実施しているケースも多く見られます。
たとえば、
・ 会員限定の「会員割引」
・ 平日利用の「平日割」
などはよく見かけるサービスです。
また、そのほかにも「ティッシュ〇箱プレゼント」といったように日用品をサービスしてくれるような業者もあります。
車検を受ける業者を検討する際には、キャンペーンやサービス内容にも注目してみるようにしましょう。
4. 必要な検査項目のみに絞って受ける
車検の検査項目はおおよそ5項目以上存在します。しかし、実施する店や場所によって検査する項目数や費用は異なってきます。
そのため、まずはいくつかの業者で相見積もりを取ってみるのがよいことでしょう。
また、その際に高かったり検査項目が多いと感じたりした場合には、「必要最低限なものだけ検査をお願いします」と伝えてみるのもひとつの方法です。
5. 自身で交換可能な消耗品は用意する
車検費用を抑えるためには、車検時だけでなく普段からこまめにメンテナンスしておくことも大切です。
たとえば、次の項目は定期的にチェックしておきたいところです。
・ バッテリー
・ ワイパー
・ エンジンオイル
・ ラジエーター液
・ ファンベルト
これらを自身でこまめにチェック・交換していれば、車検時にも余計な費用がかからずに済むかもしれません。
車検の受け方を工夫して賢く節約
車検は、2年に一度という意外と早いペースでやってきます。しかし、ここでも紹介したように、工夫次第では数万円単位で費用を安く抑えられます。
依頼先によって価格は変わるものの、それぞれのメリット・デメリットもあるため、しっかりと理解したうえで検討しなければなりません。
もうすぐ車検時期を迎える人は、今一度、車検の受け方について考えてみてはいかがでしょうか。(執筆者:元銀行員 吉村 みき子)