忙しいサラリーマンでもできるのが「ほったらかし投資」です。
株は毎日取引をするデイトレードをしなくてはいけないイメージが強いです。
しかし、「ほったらかし投資」での目的は配当金です。
そのため、株は保有したままで売買は気が向いた時でいいのです。
株投資歴が15年以上になり、「ほったらかし投資」の魅力を実感している筆者が「ほったらかし投資」の魅力について紹介します。
目次
「ほったらかし投資」とは
ほったらかし投資は、名前の通り、「投資をしたらそのまま放置」する手法のことです。
メリットは初心者でもはじめられ、テクニック不要なので手間もかかりません。
高配当株ならできる「ほったらかし投資」
日本株には、配当金が高額な「高配当株」が存在します。
「ほったらかし投資」では、高配当株を保有したら、そのまま取引をせずにいるだけです。
定期的に減配や無配に転じていないかの確認は必要ですが、株の売買は基本的に不要です。
権利付最終日までに保有しておけば配当金がもらえます。
そのタイミングを待つだけです。
株は長期保有でこそ生きる
例として、「(8591)オリックス」を見てみましょう。

4月初旬、株価は1,845.5円です。
年間配当金1株あたり76.00円なので、100株で7,600円(税引前)です。
税金が20.315%引かれるため、1,543円が引かれ、6,057円になります。
現時点で税引前は約4.12%(税引後は約3.28%)の配当金があります。
日本円の定期預金に預けていても、ここまで高金利の金融商品はありません。
しかも、保有し続ける限り、減配がない限り、毎年配当金がもらえます。
減配にならなければ10年で6万円、20年で12万円です。
長く保有するほど高配当のメリットを感じられるはずです。
※配当金の額は変わらないことを原則としました。
※「(8591)オリックス」では、2019年、2020年、1株あたり76円の配当実績があります。
私が実践する高配当株の銘柄の選び方
高配当株の選び方は難しいです。
なぜなら、リスクがあるからこそ株価が安く高配当のこともあるからです。
私は、YAHOO!ファイナンス、配当利回りを見て、高配当株を確認しています。
参照:YAHOO!ファイナンス
個人的に心がけていることは以下のとおりです。
・ 企業の業績
・ 保有株企業のバランス(金融、不動産、食料品、情報・通信など)
【できれば心がけること】
・ 株主優待もある銘柄 → 高配当に加え、株主優待がもらえる銘柄だとよい
高配当株でも減配を発表した、決算発表内容があまりよくなかったなどもあります。
経済ニュースに敏感になっておく必要はあります。
1. (8591) オリックス(税引前4.12%)

権利確定月:3月末日
単元株数:100株
年間予想配当金:100株 7,600円(税引前)
オリックス(株)は株主優待もあり、100株以上保有していると3月末の権利でカタログギフト「ふるさと優待」ももらえます。
3年以上継続で、長期保有特典のワンランク上のカタログギフトになります。
2. (1605)(株)INPEX(旧:国際石油開発帝石株式会社)税引前3.54%

権利確定月:12月末日
単元株数:100株
年間予想配当金:100株 2,700円(税引前)
(株)INPEXは、原油・ガスの大手です。
400株以上保有でQUOカードの株主優待もあります。
長期保有特典は1年以上、2年以上、3年以上でQUOカードの額が変わります。
3. (2914)JT(税引前6.2%)

権利確定月:12月末日
単元株数:100株
年間予想配当金: 100株 1万3,000円(税引前)
たばこのほか、飲料も手がける企業です。
コロナショック後、減配になり、株主優待も「1年以上継続保有」が加わります。
ただ、減配となっても6%超えの高配当株なのは魅力です。
4. (8306)三菱東京UFJ(税引前4.2%)

権利確定月:3月末日、9月末日
単元株数:100株
年間予想配当金:100株 2,500円(税引前)
大手メガバンク、銀行業。
100株6万円予算の10万円未満で保有できる株のため、買い増ししやすいのが魅力です。
5. (3492)タカラレーベン不動産投資法人(税引前5.66%)

権利確定月:2月末日、8月末日
単元株数:1株
実績配当金:1株6,200円(税引前)
1株単位で保有できる不動産ディベロッパーのタカラレーベンのREIT(不動産投信)です。
厳密に言うと「不動産投信」です。
株と同じく証券会社からコードで注文でき、10口以上でヤマダ電機グループの「お買い物優待券(500円相当 × 5枚)」の優待制度もあることから、紹介しました。
8月の実績は1株あたり6,200円配当です。
6. (9432)日本電信電話(税引前3.62%)

権利確定月:3月末日
単元株数:100株
年間予想配当金:100株 1万500円(税引前)
NTTグループの持ち株会社。株主優待はdポイントです。
100株以上保有の人は、2年以上3年未満で1,500ポイント、5年以上6年未満3,000ポイントです。
2021年3月期の配当予想は増配しました。
年1回の配当金タイミングのため、購入時期を見極めたいところです。
7. (4502)武田薬品工業(税引前4.41%)

権利確定月:3月末日、9月末日
単元株数:100株
年間予想配当金:100株 1万8,000円(税引前)
国内製薬企業の大手です。
日経平均株価、TOPIX Core30構成銘柄でもあります。
コロナワクチンではドイツの企業と契約しています。
8.(9434)ソフトバンク(株)税引前5.97%

権利確定月:3月末日、9月末日
単元株数:100株
年間予想配当金:100株 8,600円(税引前)
ソフトバンクを展開する通信大手企業、ヤフーやZOZOを買収しました。
「ソフトバンクグループ(9984)」が親会社で、「ソフトバンク(株)(9434)」が子会社です。
9. (9503)関西電力(株)税引前4.3%

権利確定月:3月末日、9月末日
単元株数:100株
年間予想配当金:100株 5,000円(税引前)
電力株大手。電力株の中では4%超えの高配当です。
原発再稼働の問題などがあるため、分散投資をおすすめします。
「ほったらかし投資」の注意点デメリット
「ほったらかし投資」にも注意点、デメリットがあります。
企業ニュースには敏感になっておく
株はリスク商品です。
突然の減配や無配のニュースもあるため、気をつけなくてはいけません。
減配や無配になったら売るのか、それでも保有しつづけるのか、自分の中でのルール決めはあらかじめしておきましょう。
リーマンショックやコロナショック時には売り
個人的体験談でが、株を保有していると、どんな株でも下がるタイミングがあります。
私は過去、リーマンショック時とコロナショック時の2度、保有株の株価が毎日下がっていく経験をしました。
リーマンショック時には、躊躇してしまい、売るタイミングを逃しました。
そのため、塩漬けにした株もありました。
しかし、コロナショック時にはリーマンショック時の失敗をいかし、1度、ほとんどすべての株を売りました。
長期保有をする中で経験したのは、資産価値が大きく下がってしまうタイミングがあることです。
個人的な意見ですが、「損切りをどうすべきか、どのタイミングで行うか」のルールはあらかじめ決めておきましょう。
「ほったらかし投資」で毎年4~5%超えの配当金収入
初心者にもおすすめできる高配当株の中には、有名企業株で4~5%超えの配当金を得られる銘柄、配当金と株主優待を合わせてもらえる銘柄もあります。
ただ、3月末決算銘柄は、4月以降に株価下落も多いですので、購入タイミングはチャートなどを見ながら慎重に行ってください。
「ほったらかし投資」と言っても、銘柄を選ぶために経済のニュースに敏感になっておく必要もあります。
株に抱きがちなデイトレードのイメージとは違う中長期保有のスタイルです。
気になった方はぜひ検討してみてください。(執筆者:節約への情熱は誰にも負けない谷口 久美子)