今年に入ってからの楽天経済圏の改悪項目と、現在経営統合などで勢いのある「楽天の競合他社」の経済圏を比較し、今後のどの経済圏をどのようにお得に利用していくかをまとめました。
経済圏は、各企業が提供するサービスをポイントなどを連携させるエコシステムです。
1社が提供するいろいろな種類のサービス(金融、エンタメ・EC、インフラ、通信キャリア等)を利用することで、条件に応じてそれらのサービスで利用できるポイントが付与されるシステムのことです。
ポイントは、提供企業の展開に依存することもあり現金ほどの価値はないものの、現金と同じように使用できるので昨今注目の節約術です。
もともと、日本国内で経済圏と呼べるだけの多様なサービスを提供する発起人と言えるのは楽天ですが、今年に入ってからSPUを中心に改悪が続いています。
改悪続きの楽天経済圏と、他の経済圏を比較し今後の利用方法を考察します。
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目次
今年に入ってからの楽天経済圏の改悪と改良事項
1月1日~:
楽天カード超かんたん保険月払い「SPU +1倍」終了、SPUの対象外
1月31日~:
NBA Rakuten 「SPU +1倍」終了、SPUの対象外
2月1日~:
楽天ペイのポイント付与率引下げ
2月1日~:
楽天マガジン利用料への楽天ポイント付与終了
2月9日~:
お買い物マラソンの獲得上限ポイントがダウン 1万ポイント → 7,000ポイント変更
4月1日~:
楽天TV「Rakuten パ・リーグ Special」がSPUの対象外
4月1日~:
楽天ゴールドカードSPU4倍 → 2倍変更
6月1日~:
楽天でんき「SPU +0.5倍」終了、SPUの対象外
6月1日~:
楽天カード公共料金支払い1倍 → 0.2倍変更
これらの変更により、6月1日からSPUが最大15倍にダウンしました。
ただし、楽天経済圏の改良として、4月1日から楽天モバイルキャリア決済もSPUの対象として追加となりました。
楽天モバイルキャリア決済(Androidのみ)の月に合計2,000円(税込)以上の利用で、その月の楽天市場でのお買い物(初日~末日まで)のポイントが +0.5倍となります。
楽天経済圏と競合経済圏の特徴まとめ
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楽天経済圏
改悪が続いていますが、各サービスの連携が強く、楽天ポイントを貯める機会とその使い道が圧倒的に多いのが楽天経済圏の特徴です。
SPUは他の経済圏のポイントアッププログラムと比較しても高倍率を狙えます。
ふるさと納税で「ポイント付与+ポイントアップ対象になる」のは、かなり大きなメリットです。
銀行、証券、クレジットカードなどの金融サービスの特典もたくさんあるので、サービス単体で見ても優秀でお得です。
ATM手数料の優遇があり、金利が高い
楽天証券:
業界最安レベルに手数料が安い、積立設定によりポイント優遇
楽天カード:
年会費無料で楽天Edy、楽天Payとの連結で楽天ポイントが優遇される
PayPay経済圏
2021年3月に国内8,400万人のユーザー基盤を持つLINEと経営統合し、これから最も拡充に期待が持てる経済圏だと言えます。
これまで、TポイントやPayPayなどポイント付与先にバラツキがあり、サービスもブランドが乱立していて統一感に欠けていましたが、今年に入り金融系を中心にPayPayブランドで統一するなどブランディングを図っています。
LINE経済圏
経済圏としてはまだまだ弱いが、2021年4月にソフトバンクグループの傘下になったことで、今後PayPay経済圏との統合の可能性ありそうです。
au経済圏
Pontaポイントとの連携に強い経済圏です。
サービスの種類は多いものの、各サービスの充実度はまだ低いという印象です。
しかし、中期経営計画などで今後スマホサービスを起点に、金融、エンタメなどを拡充していくと発表しています。
auPAYでは独自のコラボキャンペーンが頻繁に開催していて、楽天SPUのようなポイントアッププログラム「お買い物特典プログラム」なども整い始めています。
ドコモ経済圏
d払い、dカードなどを中心に、dポイントの付与・連携がドコモ経済圏の特徴です。
2021年5月にはリクルートIDとの連携も発表されて、ポイント付与の面でサービス拡大が見込まれます。
ポイントアッププログラムはないものの、dショッピングで20%のポイントバックなどキャンペーンが定期的に開催されます。
経済圏利用の「4つのポイント」
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経済圏の種類が増えていくことで、それに紐づくサービスも増えてきます。
サービスが乱立していく中で、今後どの経済圏を利用するのかの選定の考え方をまとめておきましょう。
1. サービスとしての利便性、自身の生活との親和性
そのサービスが便利で使いやすいこと、自分の生活スタイルとあっていることが重要です。
・ 日用品購入や食事でポイントが利用できる
などのメリットを整理しましょう。
2. 獲得したポイントを消化しやすい
いくらポイントをたくさん獲得しても使い道がなく不要なものに交換するなどでは意味がありません。
獲得したポイントを生活費やインフラ費、証券などに充当できると日常使いで生活費の節約になります。
3. スマホ通信キャリア、ECサイト、オンライン決済を同じ経済圏でまとめる
拡大している経済圏すべてが、スマホ通信キャリア事業を展開しています。
このことからも分かるように、
・ その他のお金の流動が多いECサイト
・ オンライン決済
を合わせることでポイントアッププログラムの倍率アップやポイント付与を狙えます。
4. スマホ決済の期間限定キャンペーンを上手に利用する
これから各社ともにユーザー囲い込み策として、日常的に使うスマホ決済を中心に各社独自のポイントキャンペーンなど打ち出してきます。
お得なキャンペーンを見逃さないように、スマホ決済においては複数の経済圏の使い分けも検討するとよいことでしょう。
今後よりお得になる経済圏を複数利用する
現時点では引き続き、楽天経済圏が最も連結しているサービス数が多いと言えます。
SPUの倍率やお買い物マラソン、ふるさと納税などでポイントを得られる点で、他の経済圏と比較すると圧倒的に優位性を保っています。
楽天は各サービスを単体で見ても、メリットや特徴が明確で利用しやすいという点も評価のポイントです。
ただし、PayPay経済圏の動きからもわかるように、今後は楽天経済圏の利用者を狙って各経済圏が拡充を図ってきます。
これにより、徐々に楽天経済圏とのサービスの差が埋まってくるものと考えられます。
これからの動向を考慮すると、スマホ決済を中心にお得なキャンペーンを期間限定で展開していることも増えることが予想できます。
スマホ決済などは様子を見ながら、単一利用ではなく複数利用でキャンペーンに参加していきましょう。(執筆者:太田 玲世)