おうちで過ごす時間が増えました。
最初の頃はかたづけや料理をしていたけれど、いよいよ時間を持て増している人も多いのではないでしょうか。
美術は感性を磨くだけでなく、心のいやしにもなります。
今回は、お金をかけずに今すぐチャレンジできる「おうち美術」を紹介しましょう。
目次
予算0円:子どもの絵本がお手本「はり絵」
最近はデリバリーをする飲食店が増え、ポストにさまざまなチラシが入ります。
ポイッと捨ててしまえばゴミになりますが、はり絵に使えば立派な材料です。
はり絵のお手本も身近にあります。
子どもがいる家庭ならば絵本がお手本になるでしょう。
「はらぺこあおむし」の作者エリック・カール氏の作品ははり絵です。
かわいらしい動物がたくさん登場する作品が多いいもとようこ氏もはり絵で絵を描いています。
集めた紙を材料にするだけでなく、白い紙を絵の具や草花で染めて材料から作っても楽しいです。
予算300円:余りと失敗は手洗いに「ソープカービング」
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短時間で見栄えがする作品を作りたいならば「ソープカービング」があります。
「ソープカービング」とは、固形せっけんを使った彫刻です。
本来はカービングナイフを使って作るのですが、カービングナイフは安いものでも1,000円以上、一般的なものは3,000円以上します。
しかもカービングナイフは用途が限られるため、カービングが自分に合わなかったら無駄な初期投資になってしまうでしょう。
初めてのカービングならば、ダイソーの「デザインナイフ」で十分です。
110円(税込み)ですが、刃がぐらつくこともなく切れ味も問題ありません。
また「ソープカービング」をうまくやるコツはせっけん選びです。
やわらかくねっとりしたせっけんが適しています。
固くボロボロ削れるせっけんは不向きです。
ダイソーで売っている1個110円の固形せっけんはやわらかくカービングに適しています。
1個110円の固形せっけんはけして安くはないですが、カービングに適したせっけんの中では安いほうでしょう。
上履き洗いに人気のあるウタマロせっけんも手ごろな価格でカービングに適しています。
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筆者もダイソーのデザインナイフと固形せっけんを使い、初めて「バラ」の「ソープカービング」にチャレンジしました。
削り方と参考作品は、インターネットで検索するとたくさんあります。
動画をみながら削っても、お手本とは全く違うものができあがりました。
花は自然物のため正しい形はありません。
「ソープカービング」の花は、花弁が多くなっても形がそろっていなくても、全体でみると「それなりに見える楽しさ」があります。
「ソープカービング」は想像以上に深くたくさんのせっけんを彫りだします。
「削りかす」はストッキングにまとめて手洗いに使いましょう。
普段のハンドソープとは違う香りが洗面台に漂います。

ナイフを使うことが難しいときには、割りばしを鉛筆削りで削ったものを使っても楽しいです。
やわらかいせっけんは、先がとがったものでこするだけでも溝を彫ることができます。
小さなレリーフのような作品になります。
予算2,000円:無になれる時間「大人の塗り絵」
「大人の塗り絵」はブームとなりました。
「大人の塗り絵」は、限られた枠を一色で塗りつぶす「塗り絵」とは違います。
リンゴは赤一色ではなく、黄色や緑色など複数の色を使うでしょう。
さまざまな色を薄く重ねることで、自分だけの色を生み出す楽しさがあります。
「さまざまな色を作るためには、発色がよく芯がやわらかい色鉛筆を選ぶことがポイントです。
安い色鉛筆は芯が固く紙に色がつきにくい傾向があります。
色が出ない画材を使っていると、絵を描く楽しさは半減します。
「大人の塗り絵」を始めるときには、思い切って自分用の新しい色鉛筆を買いましょう。
24色2,000円程度の色鉛筆ならば発色もよく芯もやわらかいです。
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お値段以上の癒しに
初期投資にお金はかかりますが、1度購入すれば長く使うことができます。
長い目で見ると「最初にケチらないこと」が損をして得をするポイントです。
上手に塗るコツは、薄い色から濃い色の順に塗ります。
始めから一気に色をつけようとせず、薄く色を塗り重ねるようにします。
黒色と白色はそのまま塗ると、塗った箇所だけ浮いて見えてしまいます。
黒色ならば紺色に置き換えたり、黒と茶色を塗り重ねてこげ茶色にしたりして黒色に近い色を表現しましょう。
白色は、クリームイエローのような明度が高い色に置き換えることができます。
明度とは、色の明るさです。
モノクロでコピーをとったときに、黒に近ければ明度が低く、白に近ければ明度は高くなります。
同じようなグレーになれば明度が近いということです。
明度が近い色ならば、色が違っても違和感なく完成させることができるでしょう。
背景も大切です。
一色で塗りつぶすのではなく、塗り絵に使った色をところどころに入れると統一感が出ます。
外出すればお金を使うタイミングはやってきます。
少ない予算でできる「おうち美術」はお値段以上の癒しを与えてくれるでしょう。(執筆者:クリエイティブな節約家 式部 順子)お値段以上の癒し