夏休みが近づいてきました。
今年の夏は、旅行や帰省を見送って、近場の日帰りを考えている家族も多いのではないでしょうか。
近場の日帰りで勉強になるお出かけならば美術館がおすすめです。
美術館は暑い夏でも中に入れば涼しく、レポートにまとめれば夏休みの宿題にもなります。
今回は、夏休みに家族で美術館に行くときに知っておきたい上手なお金の使い方を紹介します。
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家族で出かけるとお金がかかります。
とくに日本の美術館は入館料が高く、規模が大きい企画展は大人2,000円で子ども1,000円程度が相場です。
家族4人で行けば合計6,000円もかかります。
目次
チケットは学校の割引券をフル活用
夏休みに美術館や博物館などに行くときには学校からもらってくるチラシやパンフレットの中から行き先を決めると入館料が節約できるかもしれません。
夏休み中に開催される企画展は、多くの場合で教育委員会や地方自治体が後援になっています。
教育委員会や地方自治体が後援になっている企画展は、夏休みに入る少し前に学校から割引券付きのチラシが配られるのです。
ひとり数百円の割引ですが4人ならば1,000円ちかい割引になります。
企業が協力している展示会ならばメーカーの商品やキャンペーン企画で割引券や入場券が当選品になっていることがあります。
学校からもらってくるプリントにまじっているチラシは、パッと見て「これはいらない」と捨ててしまいます。
しかし夏休み前のチラシやパンフレットは「とりあえず取っておく」ことが夏休みの出費の節約につながります。
カタログと音声ガイダンス料は費用対効果が高い買い物
美術館に入ると入口でカタログを販売しています。
1冊1,000円以上で、入館料を支払った直後には痛い金額です。
しかしカタログは入口で買っておくほうがいいでしょう。
なぜならば、カタログは出口でも売っていますが、出口の売店はとても混雑しています。
さらに売店には子どもの目をひく「おもちゃのようなおみやげ」がたくさん並んでいるのです。
余計な出費を防ぐためにもカタログが入口で購入し、出口の売店はできるだけサッと通過することがポイントです。
カタログは、美術館に展示されていた作品の写真と解説が掲載されています。
「しっかり見ておけばカタログはいらない」と考える人がいるかもしれません。
しかしカタログは、家に帰ってから作品を思い出すための重要アイテムです。
夏休みの宿題として活用すれば、新たに夏休みの宿題のための出費が必要なくなり、結果的に得するのではないでしょうか。
また、カタログに使われている紙は高品質で色の発色が素晴らしいです。
後から書店で同じような画集や作品集を買おうとすれば、カタログの代金ではとても買うことはできないでしょう。
カタログは、美術館限定で販売されていることがほとんどです。
あとから「やっぱり欲しい」と思ってもなかなか手に入れることはできません。
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音声ガイダンス
入口には音声ガイダンスがあります。
ヘッドフォンをつけて作品の前に立てば解説が流れてくる優れものです。
ヘッドフォンは、借りるために500円程度のレンタル料が必要です。
子どもは興味を持っているのですが、お母さんに「いらない」と怒られている子どもをたくさん見ます。
音声ガイダンスの500円は費用対効果が高い買い物かもしれません。
なぜならば、音声ガイダンスを持っていない子どもは作品の前に止まる時間がとても短いからです。
作品をみるために高い入館料を支払ったのに作品の前をサッサと通り過ぎてしまっては、入館料が無駄になってしまいます。
一方、音声ガイダンスを耳に付けている子どもは、ガイダンスを聞きながら作品を鑑賞しています。
子どもは家に帰ってから親が説明するよりも、その場でプロが制作したガイダンスを聞いた方が頭に入ります。
わずか500円でいくつもの知識が頭に入り、ゆっくりと鑑賞ができるならば、音声ガイダンスはかなりお得な買い物ではないでしょうか。
子どもが飽きたら「♯名画で学ぶ主婦業」をやってみる
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夏休みは子ども向けの企画展が多いのですが、ゴッホやルノワールのような絵画作品は子どもには難しいことがあります。
せっかくの音声ガイダンスもボタンをどんどん押して強制終了し、次から次へと進んでいく子どももいます。
そんなときには家族で「♯名画で学ぶ主婦業」をやってみましょう。
「♯名画で学ぶ主婦業」とは、2018年に宝島社から出版された本です。
Twitterで実際に発信された素人のツイートを本にまとめてあります。
おもしろいところは、ツイートするときに内容に合った名画が添付されていることです。
「内容に合った」といっても画家が作品を描くときに意図した内容とは全く違います。
例えば超有名なミレーの「落穂拾い」には「もう2度とベビースターは食わせない」とコメントがついています。
「落穂拾い」は、収穫を終えた畑で貧しい3人の農民が落ちている穂を拾い集めている絵です。
富と貧困、当時の社会と農民の姿を描いた「まじめな」作品です。
しかし「もう2度とベビースターは食わせない」とコメントをつけることで、全く違ったユーモアある見方ができるのです。
「美術館=まじめな見方しかしてはいけない」と思われがちですが、子どもは楽しくないものに興味はもちません。
せっかく高いお金を払って美術館に入ったのならば、多少横道にそれても楽しい思い出になる鑑賞の仕方をしてみてもいいのかもしれません。(執筆者:クリエイティブな節約家 式部 順子)