「1日1粒で医者いらず」とまで言われる梅干しは、疲労回復や夏バテ防止としても昔から日本人に親しまれてきました。
長期保存がきく梅干しは手作りすれば市販の半額以下で作ることができ、塩加減や柔らかさなど自分の理想の味にできます。
この記事では、自家製梅干しを簡単に作る方法と梅干しづくりで出た梅酢や赤じそを余すことなく使いきる方法を紹介していきます。
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目次
梅干しは自家製なら好みの味が半額以下で手に入る
わが家は2キロで2,400円の南高梅を購入していますが、同じ梅で作った梅干しは4,900円します。
小分けになっているスーパーの梅干しはもっと割高で100g 500円程度で販売しています。
スーパーで買える梅は1キロ500円ほどなので、市販品の梅干しの10分の1の値段になります。
梅干しづくりには他に塩と赤じそが必要です。
しかし200円ほどでそろえることができるので、毎回小分けの梅干しを購入しているなら手作りにすれば大幅に節約できます。
カビを防ぐ梅干しづくりのポイント
梅仕事は面倒くさいというイメージを持っている人が多いですが、カビないポイントをおさえれば手間を省くことができます。
カビないポイント
カビないポイントは3つです。
(1) 塩分濃度
塩分が18%以下になるとカビが繁殖しやすくなります。
一般的に自宅で梅干しを作る場合は、塩分濃度18~20%で作られることが多いです。
(2) 最初に水分をしっかりと拭きとっておく
洗った梅に水滴がついたまま漬けるとカビの原因になります。
特にヘタの周辺は水滴が残りやすいので、水分が残らないように拭き取ります。
(3) 梅を乾燥させない
梅と塩を容器に入れて梅酢を抽出しますが、ここで梅が液体につからずに乾燥するとカビの原因になります。
梅酢が上がってくる1週間程は容器を振って梅がしめるようにしておきます。
手抜きする方法
手抜きする方法もあります。
(1) 完熟梅ならあく抜き不要
青梅は1時間程水にさらしてあく抜きする必要がありますが、黄色く熟した完熟の梅ならそのまま使うことができます。
(2) 赤じそは塩もみしなくても煮沸消毒でOK
あくを抜くために、大量の赤じそを1枚ずつ洗って塩もみする作業は面倒です。
梅から出た梅酢を鍋に入れて赤じそと一緒に火にかければ、あくが抜けて煮沸消毒にもなります。
この方法なら奇麗に洗っておけば茎を取らずに漬けることができるので、かなりの時間短縮になります。
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(3) 干さない梅漬け
梅を干す作業が面倒なら、干さずにそのまま梅漬けとして食べることもできます。
さらにしそにも漬けない塩漬けなら、最初に塩と梅を容器に入れてからそのまま放置すればでき上がりです。
捨てないで! 梅酢や赤じそも再利用
梅から出た梅酢は、新しょうがを漬ければ紅しょうがになります。
また塩麴と混ぜれば梅味のさっぱりとした調味料になり、野菜や肉とも相性が良いです。
赤じそは電子レンジで乾燥させればふりかけのゆかりになるので、ご飯にかけたり和え物に使ったりと便利です。
材料を余すことなく使い切れるのも梅干し作りの魅力です。
安いブランデーで高級梅酒の味わい
私は毎年梅干し作りと同時進行で梅酒も手作りしています。
スーパーで売っている500円の梅と1,000円以下の格安ブランデーを使っていますが、でき上がりはまろやかで香りが良く高級な味わいになります。
梅酒で使った梅は梅ジャムにもできるので、無駄なく使い切ることができます。
他にも梅ジュースや梅シロップなど、どれも少ない材料で作ることが可能です。
7月30日は梅の日
「梅干しを食べると難(7)が去る(30)」という語呂合わせから、7月30日は梅の日と言われています。
毎年スーパーで2パック以上は梅干しを買っているという人は、自家製にして、お得に好きな味を作ってみてください。(執筆者:川井 奈央)