クレジットカードの毎月あたりの支払いを一定額に抑えられるリボルビング払い、通称リボ払い。
近年、消費者生活センターでは、このリボ払いによるトラブル報告が急増しています。
その中には、リボ払いにした覚えはないのに、請求書を確認するとリボ払いとなっていたという報告事例も少なくありません。
実はこれには、つい見落としてしまいがちとなる落とし穴が隠されています。
そこで今回は、意図していないリボ払いになってしまわないために、リボ払いの仕組みをはじめ、注意点や解決策にまとめてみました。
あなたも知らないうちに隠れリボ&自動リボの罠にハマって損してしまってはいませんか。
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目次
リボ払いで気になる金利は一体どれくらい? 仕組みをおさらい
リボ払いは、クレジットカードの支払い方法の1つ。
利用金額や件数にかかわらず、あらかじめ設定した金額内で月々支払っていくため、まとまった金額が手元になくても買い物ができます。
また、月の支払いが一定となるため、家計の管理に役立てやすいのも魅力です。
しかし、その一方で気を付けなければいけないデメリットも存在します。
それは、リボ払いでは、元本が少しずつしか返済できない仕組みから支払いは長期化しやすく、負担しなければならない手数料負担が大きくなってしまう点です。
リボ払いの金利設定には各種違いはあるものの、一般的に15%ほどのところが多いようです。
次で10万円の商品を年利15%、毎月の返済額5,000円設定のリボ払いで購入した際の返済例を確認してみましょう。
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利用額10万円を年利15%、月々5,000円で返済していった場合、利息分として1万5,260円かかることとなります。
また、利息分がなければ20回の返済で済むところを、利息がかかることによって完済するための返済回数は24回と4回分増えてしまいます。
こう考えると、リボ払いの金利は決して安いものではないのが伺えるでしょう。
しかし、リボ払いはなるべく利用しないようにしておこうと考えていたにも関わらず、支払いがいつの間にかリボ払いになってしまっていたという事例が近年多発してしまっています。
なぜ、このような恐ろしいトラブルへと発展してしまうのでしょうか。
知らないうちにリボ払いになっていた なぜそうなるのか
なぜこのようなエピソードが巷で多く発生してしまっているのか。
実はこの類のトラブルは誰かが仕掛けた罠というわけではなく、自身の不注意でうっかりリボ払いにしていたというのがほとんどなのです。
それに気が付かないまま利用してしまうと、例え店頭で「一括払いで」と伝えたとしても、自動的にリボ払い扱いとなってしまいます。
うっかりリボ払いとなってしまいやすい具体例として、主に次のようなケースが考えられます。
(2) そもそもリボ払いしか選択できないリボ専用カードだった
(3) 設定限度額以上を利用した場合、自動的にリボ払いとなる「超えたらリボ」の設定をしていた
など。
実際に(1) ~(3) のようなカードたくさん存在します。
例えばコンビニでおなじみの「ファミマTカード」。
こちらは、リボ払いカードのため、標準の設定がリボ払いとなっています。
初月は手数料がかからない仕組みとなっているので、リボ払いとしないためには自身で全額払いへと設定を変更したり、店内にあるFamiポートという機械で全額返済を行ったりする必要があります。
そのほかにも、JCBの「支払い名人」は登録すると、設定した金額内であれば手数料不要の1回払いとなりますが、超過した場合は自動的にリボ払いとなる仕組みです。
カードの種類によっては、名称に「〇〇リボ」とついている場合もありますが、そうでないカードもたくさんあるため、しっかりと確認することが大切です。
知っておきたい! 隠れリボ&自動リボにならないための対処法
では、隠れリボ&自動リボに陥らないようにするためにはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。
契約内容の確認を怠らないようにする
隠れリボ&自動リボを防ぐためには、まず契約時に支払い方法の確認をしっかりと行うことが大切です。
リボ払いに設定したり、専用カードを作成することでプレゼントやポイントがもらえるキャンペーンが実施されていたりするケースも少なくありませんが、目先の利益に惑わされないように注意するようにしましょう。
明細を毎月必ず確認する
あなたはクレジットカードの明細書を毎月確認していますか。
近頃はペーパーレス化が進みwebにアクセスしなければ確認できないケースも増えてきており、面倒だと感じる人も多いようですが、そのひと手間が大切です。
・ よく分からない手数料が記載されている
・ クレジットカードを利用していないのに引き落としがある
などといった場合は要注意です。
すぐにカード会社に確認を取るようにしましょう。
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自動リボに気が付いたときはなるべく繰り上げ返済をしよう
もしも自動リボになっていることに気が付いた場合、すみやかにリボ払いの残金を一括返済するようにしましょう。
一般的なリボ払いでは金利15~18%ほどがかかる仕組みであり、利用している日数が長くなればなるほど手数料負担もその分大きくなってしまいます。
また、カード会社に連絡をしてリボ払いの設定を解除したとしても、完済しなければ支払残高として残ってしまうため注意が必要です。
そのほか、カード会社のなかには一括返済以外に、一部繰り上げ返済に対応しているところもあるようです。
完済できるまとまった資金が手元にない場合は、カード会社に問い合わせて確認してみてください。
気づかぬうちに設定されてしまっている隠れリボ&自動リボにご用心
毎月の返済額を一定にできるリボ払いですが、カードローン並みに金利が高く総返済額が上がりやすいのもリボ払いの特徴の1つです。
気付くのが遅れてしまうと、意図しない高い手数料を払い続け大きな損失を被ることになってしまいます。
しかし、電子明細が普及しているいま、確認を怠って隠れリボ&自動リボの罠にハマってしまっている人が増えているのが現状です。
あなた自身もその一人になっていないか、今一度しっかり確認をしてみることをおすすめします。(執筆者:吉村 みき子)