配当狙いで株式を購入したいけれどハードルが高いと感じて、尻込みしてしまう人は少なくありません。
そこで本記事では予算10万円、20万円、50万円に分けて初心者でも購入しやすい9月配当の銘柄を6つ紹介しています。
さらに、高配当株で避けなければならない「罠銘柄」についても解説しています。
「配当銘柄選びに迷っている」という方は参考にしながら自分に合った銘柄を選んでみてください。
※株価は2022年8月31日終値、配当利回りはIR BANK – 企業分析・銘柄発掘を引用
目次
予算10万円で購入出来る銘柄
セブン銀行(8410) 4.2%
セブン銀行はセブン&アイホールディングスの傘下の銀行です。
コンビニATMで利用する人も多いのではないでしょうか。
ATM手数料が柱となっており、最小購入金額は2万6,400円と安く購入できます。
企業名 | セブン銀行 |
証券コード | 8410 |
業種名 | 銀行業 |
時価総額 | 2,877億円 |
配当利回り | 4.2% |
配当金 | 5.50円 |
特色(四季報より引用) | 金融機関からのATM手数料が柱。セブンイレブン店舗中心にATM設置。海外展開も |
株価 | 264円 |
セブン銀行は進捗率が26.1%となっており、2006年から2022年にかけて順調に増配しています。
配当性向に関して直近は60%と高いものの、それ以前は50%以下が多く「無理して配当を出しすぎていない企業」とも読み取れます。
日本郵政(6178)5.24%
日本郵政は、日本郵政グループの持ち株会社です。
日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命がメインとなっており、後2社を柱に運営しています。
企業名 | 日本郵政 |
証券コード | 6178 |
業種名 | サービス業 |
時価総額 | 34,953億円 |
配当利回り | 5.24% |
配当金 | 50円 |
特色(四季報より引用) | 日本郵政グループの持株会社。日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命主体、金融2社に利益依存 |
株価 | 961.3円 |
2020年以降配当利回りを5%以上でキープし続けており、配当性向も40%を推移しています。
ただ、かんぽ生命の金融相品の押し売り問題も完全には解消できていない状態ですので、株価減少傾向であるのは気を付けておきたいポイントです。
予算20万円で購入出来る銘柄
ソフトバンク(9434)5.71%
ソフトバンクは、大手通信キャリアで「ソフトバンク」や「ワイモバイル」などのサービスを提供しています。
企業名 | ソフトバンク |
証券コード | 9434 |
業種名 | 情報通信業 |
時価総額 | 71,400億円 |
配当利回り | 5.71% |
配当金 | 43円 |
特色(四季報より引用) | 「ソフトバンク」「ワイモバイル」展開する通信会社。ヤフー、ZOZOなど買収で非通信を拡大 |
株価 | 1,529.5円 |
2020年3月に増配が行われ、ここ直近3年は配当利回り5%以上をキープしており配当性向は2018年以降50%以下を推移しています。
営業の利益率も17%と高く、業績が堅調であるとも読み取れる企業です。
長谷工コーポレーション(1808)5.04%
長谷工コーポレーションは大手ゼネコン会社で、マンション建築では国内首位となっています。
企業名 | 長谷工コーポレーション |
証券コード | 1808 |
業種名 | 建設業 |
時価総額 | 4,653億円 |
配当利回り | 5.04% |
配当金 | 40円 |
特色(四季報より引用) | マンション建築首位。土地手当て、計画立案から施工まで一貫モデル構築。販売や管理、仲介も |
株価 | 1,600円 |
営業利益率も19.09%と高く、配当利回りも2014年からコツコツ増配されており、5%近くまで上昇しています。
2021年には一時的に配当利回りが低下していますが、2022年3月には5.6%と持ち直しています。
さらに2025年までは配当の下限を70円と設定し、直近では70円から80円へ引き上げています。
ただし売上高は徐々に頭打ちになっている点が気になるポイントです。
予算50万円で購入出来る銘柄
日本製鉄(5401)7.37%
日本製鉄は国内最大手の鉄鋼メーカーです。
企業名 | 日本製鉄 |
証券コード | 5401 |
業種名 | 鉄鋼業 |
時価総額 | 21,078億円 |
配当利回り | 7.37% |
配当金 | 60~65円 |
特色(四季報より引用) | 粗鋼生産量で国内首位、世界3位。技術に定評、高級鋼板で圧倒的。12年に住金と合併し発足 |
株価 | 2,208.5円 |
新型コロナウィルス関連で2020年と2021年は打撃を受け、配当利回りは1%に低下していますが、今年は回復が予想されています。
原材料高などの影響で配当予想を未定としていましたが、中間配当予想に関して市場予想を上回る70円と発表しています。
三菱商事(8058)3.31%
三菱商事は総合商社の業界首位の総合商社です。
投資の神様「ウォーレンバフェット」が2020年に投資したことでも話題となりました。
企業名 | 三菱商事 |
証券コード | 8058 |
業種名 | 卸売業 |
時価総額 | 66,842億円 |
配当利回り | 3.31% |
配当金 | 75円 |
特色(四季報より引用) | 総合商社大手。三菱グループ中核。原料炭等の資源筆頭に機械、食品、化学品等の事業基盤厚い |
株価 | 4,564円 |
他と比べて配当利回りは少ないものの、増配を目指す累進配当を宣言しており、配当目的の投資家にも好まれやすいという特徴を持っています。
ただ新型コロナウィルス関連で業績が下がっている点には注意をしておくべきですが、2021年3月には増配方針も発表しており、投資家に還元しようとする姿勢がみられる企業です。
配当性向も2021年を除けば20~30%台を推移しており、減配される可能性は低いと考えられます。
高配当株には罠銘柄が潜んでいる
高配当株の中には、企業が投資家から資金を集めるため無理をして高配当にする「罠銘柄」もあります。
一見良さそうと思って投資しても蓋を開けてみると「減配」「株価下落」のダブルで損をしてしまう銘柄です。
避けるためには、以下のポイントを確認して銘柄を選んでいきましょう。
- 配当は安定しているか
- 営業利益率は良いか
- 売上高など業績は安定しているか
- 自己資本比率は高いか
- 配当性向は高すぎないか
なるべく株式を発行する企業が「本当に良い企業なのか」を吟味しなければなりません。
また罠銘柄以外に注意しておくべきは「権利落ち日の下落」です。
配当を貰える権利日が決定する日(権利付最終日)の翌日(権利落ち日)は、配当金狙いの投資家が売却するため株価が下落しやすくなります。
権利落ちで下落しても耐えられる銘柄や再度株価が上昇しそうな銘柄の方が安心して保有できますよね。
配当利回りの高さをだけ重視せずに、しっかりと調査をした上で自分の資金を投じるようにしましょう。(執筆者:秋山 さやか)