GWはいつもと違った服を着て非日常を楽しみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
今週のチラシ(4/19~)には、ゴッホやセザンヌなど非日常を感じるアートが描かれたTシャツが登場しています。
今回は、絵の意味がわかればTシャツの付加価値がグッと上がる「アートなTシャツ」を5点選びました。
美大卒の筆者が作品の魅力わかりやすく解説します。
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ベスト5:風を感じるアート「テート美術館UT:アレクサンダー・カルダー」1,500円(税込み)
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≪画像元:ユニクロ公式 | テート美術館 UT(半袖・レギュラーフィット) (uniqlo.com)≫
グレーのTシャツにシンプルな図形のような絵が描かれています。
これはアレクサンダー・カルダーが生み出したとされる「モビール」がモチーフになっています。
モビールとは、風などの力によって動く立体作品です。
身近なものでは、ベビーベッドの上につるして使うおもちゃがあります。
Tシャツに描かれている作品は、1956年に作られた「モビール(無題)」に似ています。
カルダーは「不均衡」をテーマにして制作していました。
Tシャツの首回りから伸びた1本の線がモビールを支えています。
風で動くモビールを平面のTシャツに表現したことで、とても軽やかで動きのあるTシャツです。
ベスト4:音楽好きにも「MOMAアート・アイコンズUT:カンディンスキー」1,500円(税込み)
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≪商品URL:ユニクロ公式 | MoMA アート・アイコンズ UT(半袖・レギュラーフィット) (uniqlo.com)≫
黒いTシャツに幾何学図形のような絵が描かれています。
これは1922年に描かれたヴァシリー・カンディンスキーの「小さな世界VII」という作品です。
カンディンスキーは、色を音として考える人でした。
Tシャツに描かれている作品もひとつひとつの要素だけでは意味がわかりませんが、全体をみると音楽のようなリズムを感じられるのではないでしょうか。
ユニクロのアート作品をモチーフにしたTシャツでは地(背景)と図(絵)を枠で分けていることが多いのですが、カンディンスキーの「小さな世界VII」は枠をとらず、Tシャツ全面に音符が動いているようにデザインされています。
ベスト3:見れば見るほど面白い「MOMAアート・アイコンズUT:セザンヌ」1,500円(税込み)
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≪商品URL:ユニクロ公式 | MoMA アート・アイコンズ UT(半袖・レギュラーフィット) (uniqlo.com)≫
教科書にも掲載されているポール・セザンヌの「りんごのある静物画」です。
セザンヌは「色彩が豊かになれば形は充実する」と言っています。
それだけセザンヌの作品は色彩がポイントになっています。
ユニクロのTシャツにはセザンヌのセザンヌらしい色彩が表現されています。
この絵をよく見ると「現実的にはあり得ない空間にみえる」と思う人がいるかもしれません。
セザンヌはリンゴやオレンジの魅力が一番引き出せる位置や角度からそれぞれのモチーフを描いています。
そのため、現実的にはテーブルから転げ落ちている位置にリンゴやオレンジが描かれていることがあるのです。
セザンヌはリンゴの絵をたくさん描いています。
セザンヌにとってリンゴは友人ゾラとの友情の証でした。
GWに友人に会う予定がある人にピッタリのTシャツです。
ベスト2:かっこいいゴッホを着る「MOMAアート・アイコンズUT:ゴッホ」1,500円(税込み)
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≪商品URL:ユニクロ公式 | MoMA アート・アイコンズ UT(半袖・レギュラーフィット) (uniqlo.com)≫
ゴッホの名作「星月夜」がTシャツになりました。筆者はゴッホの作品が大好きです。
ゴッホの作品はパブリックドメイン(著作権フリー)になったことから、多くの作品が雑貨やTシャツにされています。
しかし、多くが作品の一部を切り取って商品化され「作品の良さが伝わらない」と残念に思っていました。
ユニクロのTシャツには作品全体が描かれています。
ゴッホが部屋の窓から見たであろう夜空と昔の思い出を組み合わせて描いた架空の街並み、そしてゴッホ自身とも言われる糸杉の大木がしっかりとあります。
GWは特に予定がなくひとりで過ごす人もいます。
ゴッホが孤独な時間に自分のすべてを詰め込んで描いた「星月夜」を背中に感じながらひとりでゆっくりと過ごす連休もいいのではないでしょうか。
ベスト1:浮世絵のすべてを味わう「北斎リミックス:葛飾北斎」1,990円(税込み)
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≪商品URL:ユニクロ公式 | 北斎リミックス UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット) (uniqlo.com)≫
ユニクロには葛飾北斎の浮世絵をモチーフにしたTシャツがたくさんあります。
中でも筆者がイチオシのTシャツはさまざまな富士山が描かれている商品です。
浮世絵は版画です。
葛飾北斎のような絵師が版下絵を描き、彫師が絵を木に写して版木を作ります。
摺師が1色ずつ版を重ねて作品を摺り上げます。
ひとりの絵師が描いた同じ版下絵でも摺り方によって雰囲気の違う作品になります。
ユニクロの北斎リミックスでは、そうした浮世絵の特徴を生かし、雰囲気が違う作品を組み合わせることで浮世絵の楽しみ方を提案しています。
Tシャツには、有名な赤富士(赤い富士山)のほか、珍しい藍摺版の青富士(白い富士山)も並んでいます。
Tシャツ本体の色も北斎が好んだ藍色「ベロ藍(プルシアンブルー)」を意識して選ばれたのでしょう。
1,990円はユニクロでは高めのTシャツですが、1枚に4種類の葛飾北斎の富士山が描かれているTシャツは見たことがありません。
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≪画像元:ユニクロデジタルチラシ≫
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今年のGWは物価高や円安のため、家でゆっくりと過ごす人も多いようです。
アートは、場所に関係なく心を解き放ってくれます。
今年のGWは、好きな作品が描かれたアートTシャツを着て、気持ちの非日常体験をしてみてはいかがでしょうか。