先日、金のアクセサリーを売却しました。
約20年、タンスの中で眠り続けていたアクセサリーが想像以上の臨時収入になりました。
今回は、金の売却体験談と体験からわかった注意点を4つお話しします。
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K18(18金)のネックレスとブレスネットとリング3点を売却
筆者は美大生のときから、金やダイヤなどの宝石よりも人間が作り出した民芸品や伝統工芸品が好きでした。
そのため、数少ない貴金属はすべてタンスの肥やしになっていました。
先日、タンスの中から若かりし頃(約20年前)にいただいた金のアクセサリーをみつけました。
ネックレスはシンプルなチェーンです。ブレスネットはピンクゴールドのハートがつらなったデザインです。
そして、リングもピンクゴールドでメレダイヤが2粒ついています。
金のネックレスは、金具が壊れていて使用できない状態です。ブレスネットは汗が反応したのか黒ずんでいました。
そしてリングはサイズが合わなくなっていたため、3点まとめて売却することにしました。
「売却のタイミングだ」と判断した2つの理由
長い間タンスの保管していたアクセサリーを今売却したことには理由があります。
<デザインが合わなくなった>
金のアクセサリーは年齢を問わず使えると思い、ずっと保管してきました。
ところが、久しぶりにネックレスをつけてみると、なぜか筆者の雰囲気に合わなくなっていたのです。
若いときにはキラリと光るゴールドが華やかだったのですが、今はギラリと光り派手に見えてしまうのです。ブレスネットは、ハートがモチーフで筆者の今の服装とは合いません。
アクセサリーは、リフォームもできます。ただサイズ変更などの小さな修理ではなく、金を足したり、大々的にデザインを変えたりする場合は数万円の費用がかかることも多いようです。
<金相場が高いから>
金の価格は値上がりし続けています。
筆者がアクセサリーを手にした20年前の8月の金相場は1,550円/グラムほどでした。
2024年8月7日現在は、12,153円/グラムです(田中貴金属工業の買取基準相場より)。約7.8倍です。
3点(9.44グラム)の買取価格は8万798円
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今回は横浜元町にある田中貴金属株式会社で買取をお願いしました。
1階はアクセサリーの販売店で売買は2階です。
2階の個別ブースに案内されました。開店直後だったため、客は筆者だけでした。
まず商品のチェックがされます。ルーペで刻印を確認していました。そして「K18」の刻印が確認できたら申込書の記入です。住所や氏名と生年月日のほか、購入元(国内か海外か)そして代金の受け取り方法(100万円以上は振込)を選択します。写真付きの身分証明書も必要です。
重要事項が説明され、3点がはかりにのせられました。「おおよそ9グラムなので76,000円ほどになるかと思います。このあと、細かな分析をして正式な買取価格を提示します」と言われ20分ほど店内で待ちました。
待ち時間中、1階の販売店で商品を見せていただきました。アクセサリーだけでなく、小判や置物も多く「金は現物資産」という言葉が頭に浮かびました。
20分後、提示された金額は80,798円でした。金額は3点の総額で提示され、個別の金額はわかりません。
正式に計測したところ重さは9.44グラムで小数点切り上げされ、9.5グラムとして計算されたのです。
金アクセサリーを売却するときの注意点4つ
今回はいずれも18金のアクセサリーでした。そしてリングにはメレダイヤが2粒ついていました。
金の価格が高騰し、筆者のように「手持ちのアクセサリーを売りたい」と考える人が増えています。
ここからは、金の延べ板やコインではなく、アクセサリーを売却するときに「あれっ、もっと高く売れるかと思った」「こんなはずじゃなかった」と思うことがないように知っておきたい注意点を4つお話しします。
(1) 石(ダイヤやパール)は買取対象外
金のアクセサリーには2種類あります。筆者のネックレスやブレスネットのように18金だけで作られたものとリングのように石が使われているものです。
アクセサリーを購入するときにはダイヤやパールがついているほうが値段は高い傾向があります。
しかし金として売却するとき、石は買取対象外です。
もしも石を含めたアクセサリーとして売りたいときにはリサイクルショップのような買取業者を探した方がいいでしょう。
筆者のリングには2粒のメレダイヤがついていましたが「外せるダイヤは外してお返しします。外せないダイヤは金と一緒に重量計算に含めて算出します」と説明がありました。
2粒のうち1粒は外されて返却されましたが、もう1粒は外すことができず金と一緒に引き取られました。
(2) 場合によっては傷ついて返却されることもある
筆者が持ち込んだものには、すべて「K18」の刻印がありました。
しかし中には刻印と実物が一致していないものが持ち込まれることもあるそうです。
そのため、リングの一部を削り取り、中の金属も18金であるかを確認すると言われました。
万が一、中の金属が18金ではなかった場合は買取ができず、傷ついたリングが返却されるとのことでした。
もしも「出所不明なリング」「刻印の信ぴょう性があやしい」という場合は、真実を知ることなく「本物だ」と信じて使い続けた方がいいのかもしれません。
(3) 売却したらキャンセルはできない
リサイクルショップとは異なり、買取されたアクセサリーは溶かされます。
そのため、売却してから「やっぱり返してほしい」は無理な話です。そして金の相場は毎日変わります。売った翌日に大きく値上がりする可能性もあります。どんなに値上がりしてもキャンセルはできません。
筆者も最後に「未練はありませんか」と確認されました。
(4) 金相場がそのまま買取価格ではない
金の相場は毎日変わります。
筆者がアクセサリーを売却した日の買取基準相場(金の延べ板などを売るとき)は1グラム1万2,153円でした。しかし実際の買取価格は1グラム8,505円でした。
この差は「金の純度」が大きく関係しています。筆者の「K18」は18金です。
18金は純度100%の金ではなく、純金75%に対して25%の割り金(銅などの金属)が混ぜられています。そのため金の延べ板や24金よりも買取基準価格が安くなりました。
「今日アクセサリーを売りたい」と思ったときには、ニュースで見る金の相場で計算するのではなく、アクセサリーを売るときの相場(田中貴金属の場合はリサイクル価格)さらには手持ちの刻印を確認して価格を調べましょう。
筆者は横浜元町で売却しました。現金8万円を渡され店をあとにしました。
臨時収入8万円は大きいです。気持ちが大きくなった筆者は、横浜元町のおしゃれなジュエリー店に入り、ドイツの工房で作られたユーモアあるペンダントに13,000円を使いました。
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20年ぶりのアクセサリー購入に気分はプライスレスの高騰です。ものの価値は人それぞれです。今の自分にとって価値あるものに置き換えていくこともお金の上手な使い方ではないでしょうか。