楽天証券で、8月26日より「かぶミニ」の「指値注文」がはじまりました。
売買する価格を指定できるので、幅広い取引ができるようになったのですが、注意点もあります。
やり方のほか、筆者が注目する理由も紹介します。

「かぶミニ」が指値注文に対応

≪画像元:楽天証券≫
楽天証券で、8月26日より単元未満株取引「かぶミニ」で指値注文ができるようになりました。
単元未満株を指値取引できるのは、ネット証券界で、はじめてのことです。
「かぶミニ」は、単元100株であっても対象銘柄であれば1株から買える制度です。
これまで「かぶミニ」は価格指定ができない「成行」注文しかできませんでした。
しかし、8月26日からは指値注文ができるようになったため、より自由な取引ができるようになりました。
「かぶミニ」は少額投資ができ、ポイント投資もできるので、投資予算があまりない人にもはじめられます。
「かぶミニ」の指値注文方法
筆者も「かぶミニ」の指値注文方法を確認してみました。
1. 楽天証券にログインする

≪執筆者撮影≫
2. 国内株式、銘柄名を入力
3. 「かぶミニ買い」を選ぶ、今回は「日本電信電話」と入力

≪執筆者撮影≫
「成行(即時)」のほか「指値(前場)」が選べるようになっていました。指値制限があります。
※執筆時では102円~参考価格+1%(154.5円)
執筆時は前場(午前9時から午前11時半)の時間だったので、前場での指値注文ができました。
実は「本当にお得なのか」は疑問も?

≪画像元:楽天証券≫
この「かぶミニ」が指値注文に対応したことは朗報に感じるかもしれませんが、実は違う取引であり寄付取引の方が安くなる可能性があります。
それは、楽天証券ではリアルタイム取引が「スプレッドあり」だからです。
そのため、寄付取引の手数料がない方がよいと感じる人もいそうです。
楽天証券でのスプレッドとは…
「かぶミニ」のリアルタイム取引のスプレッドは0.22%と決められていて、例えば、三菱UFJフィナンシャルG <8306> の8月26日の寄付は1,513円。もしスプレッドがかかるなら1,516円。
ただし、影響を受けない銘柄もあり、日本電信電話の8月26日の寄付は152円。もしスプレッドがかかっても152.3円。
指値でこのスプレッド分がカバーできたり、スプレッドがかかっても少額だと感じるなら、あまり気にすることはないかもしれません。
取扱銘柄を確認しよう
楽天証券での「かぶミニ」、リアルタイム取引ができる銘柄は全ての銘柄なく、722銘柄です。
そこで、取引したい銘柄が、「かぶミニ」、「リアルタイム取引」ができるか確認しておきましょう。

≪画像元:楽天証券≫
1.かぶミニ取扱銘柄一覧を開く
2.「リアルタイム取引」に「〇」がついているものが対象
メリット:1株あたりが安く買える
今回の「かぶミニの指値注文」ではメリットもデメリットもあります。
メリットは、希望する価格で買えるので安くなったタイミングで買うこともできることです。

≪画像元:yahoo! ファイナンス≫
これは、「かぶミニ」取引ができる岩谷産業 <8088> のチャートです。
例を出すのが極端かもしれませんが、8月5日の株価を見てみると、始値7,768円。
しかし、この日の最安値では6,955円にまで下がっています。
8月上旬、日経平均は史上最大の下げ幅を記録したこともあり、一部では「日本版ブラックマンデー」とも言われました。
この日に寄付で買うと … 7,768円
この日に最安値(6,955円)で買えたらスプレッドを入れても … 6,970円
スプレッドを入れても約800円もの差があったわけなので、スプレッドがあるとはいえ指値もできるなら、今後、便利な場面もあることがわかるでしょう。
デメリット:指値注文だと買えないことも?
デメリットとしては、指値注文だとその値にならないと約定しないため、買えないこともある点です。
忙しい人だと、指値注文していても注文ができているか確認するのは仕事が終わってからという人もいそうです。
指値注文だと欲しい株が買えなくて株価が上がっていくかもしれません。その点は納得して取引しましょう。
使いかた次第で便利になる「かぶミニの指値注文」
これまでできなかった「かぶミニの指値注文」は、スプレッドがかかってしまう点に注意ですが、指値ができることになったことで割安で買うことができるようになります。
かぶミニはもちろんNISA枠を埋めることもできるため、上手に買って利用してみることもできそうです。