海外で資産運用するということは、資産の一部を外貨建てで保有するということですので、当然、保有資産の為替変動リスクが発生することになります。現在の世界情勢は、米国、欧州、中国、日本の各国が経済に不安定要因を抱えており、また、それぞれの国の経済が密接に連携していることから、どの国の通貨を保有しても為替変動リスクを避けることはできません。

ですから、保有資産の通貨についてもある程度、分散しておくことが肝要です。しかし、やみくもに沢山の通貨を持てば良いというわけでもないので、運用目的別に3~4種類の通貨に分けて保有されることを推奨させて頂きます。

まず、必ず必要となるのは、自分が住んでいる国の通貨で、最低でも毎月の生活費の半年分程度を現預金で保有するようにしてください。香港在住の方は香港ドル、中国在住の方は人民元、日本在住の方は日本円、現在、海外駐在中の方は、現地通貨と日本円を合わせて毎月の生活費の半年分程度を現預金で保有するようにしてください。

必要な生活費を確保した上で、余裕資金の範囲内で、将来的な年金・保険対策を検討して頂くと良いと思いますが、外貨建ての年金・保険対策プランで、最も利便性が高いのは、米ドル、ユーロ、ポンドなど、グローバル基軸通貨と呼ばれる、世界中で流通していて、世界中どこでも換金・両替・送金が自由にできる通貨で年金・保険対策プランで運用して頂くことが最も利便性が高いと言えます。

弊社で取り扱っている年金・保険対策プランも8割以上は米ドル建てのプランなので、初めて海外で資産運用される方にとっては、現時点の基軸通貨である米ドル建ての運用が最も利便性が高いと言えます。

米ドル建てプランは、米国経済が再び景気後退に陥ったときに資産価値が大幅に減ってしまうのではないかと懸念される声を良く聞きますが、あまりそのような心配をする必要はないと思います。将来的な年金・保険対策プランで、運用する通貨よりも大切なことは、各プランの運用対象が株式なのか、債券なのか、不動産なのか、運用先は先進国なのか、資源国なのか、新興国なのかということを常に意識して、運用対象と運用先のバランスが取れた資産構成を心掛けるということです。

仮に米国経済が再び景気後退に陥ってドル安になったとしても、運用プランの投資対象が中国、インドなどの新興国ファンドであり、中国元、インドルピーの為替レートが米ドルに対して強くなる状況であれば、ドル安になってくれた方が、米ドル建てプランの利回りが増えることになります。

運用プランの選択肢はあまり多くありませんが、将来的な年金・保険対策プランを行なった上で、更に余裕資金がある方にお勧めしたいのが、資源国通貨と呼ばれるカナダドル、オーストラリアドルなどでの運用です。カナダ、オーストラリアはともに国内に穀物、エネルギー関連の天然資源が豊富にあり、なおかつ移民政策によって人口が毎年増え続けているので、こうした国の通貨は中長期的に強くなっていく可能性が高いと思われます。

資産の保有比率としては、最初は居住国通貨を多めに保有して頂き、海外での資産運用に慣れてきたところで、余裕資金の範囲内で徐々にグローバル基軸通貨、資源国通貨での保有比率を高めていくと良いでしょう。