中国沿岸部における不動産価格が頭打ちである状況下で、日本人が周辺諸国への不動産投資を行う場合の要件を考察したい。

まず、中国周辺諸国を4つに大別すると、中国南西部を含むメコン地域である<strong>メコン・インド圏</strong>・<strong>IMT圏(インドネシア・マレーシア・タイ)</strong>と<strong>南部諸島(フィリピン・カリマンタン島)</strong>となる。

2010年に開催された東アジアサミットでのアジア総合開発計画は、2020年までに上記のエリアに関連するインフラを一体的に広域整備するというものである。具体的なインフラ整備として、大メコン圏(ベトナム・ラオス・タイ・ミャンマー)を東西に横断する東西経済回廊およびベトナム(ホーチミン)とカンボジア(プノンペン)そしてタイ(バンコク)を結ぶ第2東西回廊、中国(混明)とラオス~タイ(バンコク)を結ぶ南北経済回廊の高速道路網が上げられる。

また、上記の経済回廊の起点であるベトナムのダナンとホーチミンそしてタイのバンコクの港湾からマレーシア、インドネシア、シンガポールへの海上物流がASEAN諸国の物流を一層加速させるものとなる。

不動産投資対象国における要件として重要なことは、高い経済成長率とそれに伴うインフラ整備である。アジア総合開発計画は、この4エリアに約10億人の広域経済圏を創り、経済総生産を現在の2倍まで高めることが目的であるので、上記の要件は充分に満たされている。

また人口増加率が不動産価格の下支えをする上での重大な要件となるが、このエリアの人口増加率は伸びる一方である。このような視点で現地を視察すると、建設ラッシュと働く若者の活況が、戦後日本の高度経済成長期を彷彿させる。

これらの地域の不動産投資のエントリータイミングは、空前の円高である今現在であり、不動産価格は紆余曲折を経るが、アップトレンドを形成している状況下では、2020年以降も堅調であることは言うまでもない。