先週発刊の「週刊エコノミスト 2012年11月27日号」に「一時払い終身保険」の記事を執筆しました。

  銀行の手数料ビジネスの代表格は、投資信託と保険の販売。ここ十数年、販売しまくっていますね。銀行の本業は融資のはず。みずからリスクをとって、企業の将来性・成長性を見極め、お金を貸して利息で儲ける。その会社が大きくなれば銀行も儲かり、倒産すれば借金の回収ができなくなります。

本業には、銀行独自の融資ノウハウがあり、リスクがあるだけにワクワクし、儲かれば成果は大きく、実務を通して人も育ちます。手数料ビジネスでは、銀行はリスクを負担しません。顧客が儲かろうが損しようが、銀行には手数料が入ります。

  景気が悪くなってきてからというもの、銀行は自分からはリスクテイクをせずに、顧客にはリスクテイクを提案する、なんだかヘンな構図がちらちら見受けられます。

リスクの大きな投資信託や変額個人年金の販売が細ってきて、銀行の主力は円建ての定額保険になってきています。その代表格が「一時払い終身保険」と「一時払い個人年金保険」。いずれも退職金やまとまった資金の運用先と想定されています。

「一時払い」というくらいですから、最初にドンと大きなお金を払込みます。「一時払い終身保険」には、一生涯の死亡保障がついています。一定の期間を過ぎれば、解約して戻ってくるお金が最初に払った保険料を上回ります。運用商品として販売する以上、顧客は投下した資金が増えなければ納得しないはず。

  確かに、解約返戻金は支払った保険料を上回るのですが、問題は、それには、数年かかるということ。商品によって、早くて3年程度、場合によっては5~15年くらいかかります。

 まとまったお金を持っているのは、多くは高齢者です。高齢者には時間がありません。資産運用をしようとしている60歳の人に、15年後に元本超えをする商品はダメですね。・・・15年も待ってたら、死ぬかもしれません。

 この手の商品を見極めるおもな観点は、以下の2つ。

「元本割れ期間が何年くらいあるのか?」
「元本を超えたあと、どんなペースで増えていくか?」