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プロが買わない投資信託の話 「インデックス型」を重視する理由

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プロが買わない投資信託の話 「インデックス型」を重視する理由

  現在(2013年2月1日)、日本国内で販売している投資信託は全部で4,500本弱あります。投資信託の区分としては、主に「投資対象」や「追加型か?単位型か?」、また「投資方針」などがあります。みなさんが投資信託を買う場合、このあたりの情報を吟味して商品を選んでいく事になります。

  しかし、4,500本の投資信託から上記の情報を元に銘柄を選択するという作業は、例えプロであっても気の遠くなる作業であると言えるでしょう。そのため投資信託を購入する場合、多くの方が販売員の勧める商品を購入する事となります。

  ただ、販売の多くはサラリーマンですので「お客さんの投資目的に完全フィットする有利な商品」よりも「会社から割り当てられるノルマのある商品」を勧めるケースも多く、こういった体質が日本人の投資離れにつながってしまったという背景の一つである事は否めません。

  そういった社会的な背景を加味しつつ、今回はプロや販売員が「できれば買わない」と思っている投資信託のポイントを一つお話ししましょう。投資信託には色々な判断基準がありますが、私が最も重要だと思っているのは「投資方針」です。

  この投資方針ですが、大きく分けると「インデックス型」と呼ばれるものと「アクティブ型」と呼ばれるものに分類されます。

  噛み砕いて言うならば、インデックス型は「特定の指標(日経とかTOPIXとか東証REIT指数とか)に連動させる事を目的とする投資方針」であり、アクティブ型は「特定のインデックスをベンチマーク(比較対象)にして、そのベンチマークを上回ることを目的とする投資方針」のことです。

  インデックス型については、日経平均の数字が新聞等でも確認できるように、その前提となるポートフォリオが公開されています。つまり、インデックス型の投資信託はその運用が単純(公開されているのと同じポジションを取ればいいため)であることが特徴と言えます。

  一方、アクティブ型は特定のインデックスを元にポートフォリオの組み替えなどを行いますので、当然運用に関する負荷は高くなると言えます。つまり、アクティブ型投資信託にはその分の「負荷」が、手数料という形で加算されている事となります。

  ここから分かるように、インデックス型とアクティブ型を比較する基準は以下の式になるかと思います。

(インデックス型の運用益)と(アクティブ型の運用益ー手数料)を比較

 ⇒ インデックス型の方が高ければインデックス型を選択。
 ⇒ アクティブ型ー手数料の方が高ければアクティブ型を選択


  この比較については、個々のファンドの運用成績(つまりはファンド・マネージャーの腕)に依るので一概には言えませんが、一般的にインデックス型とアクティブ型の手数料の差は1%~3%程度ありますので、この差がペイできると考えるならアクティブ型、ペイできないと考えるならインデックス型という事になるでしょう。

  ただ、「効率的市場仮説」というノーベル賞ものの金融理論に倣うのであれば、個別のファンドマネージャーが市場を出し抜く事は難しいと考えますので、結局のところ手数料の安いインデックス型を買うのが一番効果的であると考えます。

 実際、私を含めた多くのプロは、アクティブ型の投資信託よりもインデックス型の投資信託をポートフォリオに組み込んでいるのではないかと思います。4,500本ある投資信託も、インデックス型に絞れば500本程度になります。

  ここから投資対象で絞れば、ご自身が買うべき商品が見えてくるのではないかと思います。

《真鍋 貴臣》
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真鍋 貴臣

真鍋 貴臣

香洋ファイナンシャル・プランニング事務所 代表 九州大学経済学部を卒業後、約10年間務めた地元地銀を退職し家業の経営改善にあたる。2011年、金融機関で培ってきた知識を活かそうと独立系FP事務所を設立。「25歳から45歳の働き盛り世代を応援する」をコンセプトに、個人・法人相談からセミナーまで幅広い活動を行っている。 経営理念は「クライアントの「心・金・体」の不安を解消し、充足した人生を歩めるようにお手伝いする」ことと「中小企業の経営問題を解消し地方を元気にする」こと。2012年には香川県金融広報アドバイザーを拝命し、更に幅広い活動を目指している。 寄稿者にメッセージを送る

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