「通貨保有」をするメリット

  こんにちは!国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。さて、今回は、最近よく耳にするようになった「通貨保有」と「海外直接投資」について考えてみたいと思います。

  まず、外貨建ての資産を持つことの最大のメリットは、将来、「円安」が到来したときの“リスクヘッジ”になるという点です。

  今まで、あまり表だって取り上げられることの少なかった「日本の財政問題」ですが、さすがにこの“水準”まで来ると、マスコミを初め、政治家も口を閉ざしているわけにはいかなくなってきました。いわゆる“アベノミクス”の「成長戦略」がうまく機能しなければ、国の借金が膨らみ、将来、「円安」が加速することも十分考えられます。

  その意味においては、私も以前からその必要性を唱え続けてきた「通貨分散」、そして「通貨保有」を、真剣に考える時期が来ていると言えます。

  国レベルにおいても、自国の経済を守るために、国際通貨による「通貨分散」を行っています。私たち個人投資家も、是非、自国通貨のリスクをヘッジするために、複数の国際通貨に「分散投資」をしておくべきだと思います。

海外ファンドを用いた海外直接投資を行うメリット

  ただし、「通貨分散」=「海外直接投資」ではないので、市場での価格変動リスクを取りたくない人は、国内で外貨預金や外貨建MFFなどをしても良いでしょう。逆に、「運用収益」を目指す方は、「海外直接投資」が選択肢として挙がってきます。

  一口に「海外直接投資」といっても、その方法には様々なものがあります。最近は、新興国を投資対象とする不動産投資の話が、世の中に出回っているようですが、正直、個人的にはあまりお勧めしていません。というのも、私は20年以上不動産コンサルタントとしての業務も行っていますが、国内でも不動産投資を“出口戦略”まで見通して行うことは、そう簡単なことではないからです。

  また、先進国であれば、様々なインフラや法整備も整っていますが、まったく土地勘が無く、文化の違う新興国の不動産投資は、かなり“投機的取引”と言えます。また、何かしらの理由で、「キャッシュアウト」したいと思っても、大半の場合、すぐに換金できないというケースがほとんどです。

  従って、私の場合の「海外直接投資」は、証券市場にきちんと登録されている海外ファンド(海外投資信託など)を用いて行っています。海外ファンドを用いた「海外直接投資」は、

1.国内に比べファンドの選択肢が飛躍的に増える

2.日本で購入できない優良ファンドにも投資が可能

3.様々な運用手法のファンドに分散投資できる

  などのメリットが挙げられます。そして、そう一つ、海外を投資対象とする場合は、コストを低減できる可能性もあります。投資や資産運用に真剣に取り組んでいる方は、常に意識されているかとは思いますが、投資の世界で、「収益はあくまで不確定だが、コスト(経費)は確実にかかってくる」ということです。

  従って、同じカテゴリーの投信やファンドを選ぶ場合でも、なるべく販売手数料や信託報酬の安い(コストの低い)ものを見つけようとされている方が多いといえます。その流れが、

  販売手数料のあるファンド  →  ノーロード(手数料なし)のファンド

  そして、

  信託報酬の高いファンド → 信託報酬の安いファンド

  といった傾向が見られます。

  そのような中、日本国内で設定されている海外を投資対象とした投資信託の多くは、自社の情報量やノウハウに限界を感じ、海外の運用会社を使っているケースが多く見受けられます。すなわち、ある国や地域を投資対象とする投信を設立しようとした場合、本来であれば運用会社が現地調査などを行うべきですが、それを海外の運用会社へ丸投げしているようなケースです。

  当然、その分のコストが掛かるわけですが、それはきちんと信託報酬(マネジメントフィー)に上乗せされ、投資家が負担をすることとなります。言うまでもありませんが、信託報酬(マネジメントフィー)が高ければ、それだけ投資家の受け取るパフォーマンスは、引き下げられます。中長期で運用を考えた場合、その複利のマイナス効果は相当大きくなってきます。

  逆にいえば、中間マージンを引き下げ、尚且つ、運用期間中ファンドに課税されないオフショア籍のファンドの場合、同じような運用を行っている国内投信と比べれば、その差はまさに歴然です。

  日本株や日本債券に投資を行う投信であれば、国内の金融機関を通じて購入するのが基本だと考えますが、海外へ投資を行うものについては、「海外直接投資」を行うメリットがあるのも事実なのです。

  実際、最近では、投資対象によって、国内と海外を使い分けている投資家が多くなってきました。ご興味がある方は、一度検討されてみても良いでしょう。