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株価の上昇は日銀のお墨付き!?勘違いしてはいけないこと

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  4月3日・4日と日銀の金融政策決定会合があり、一斉に【異次元緩和】と云う表現を使用して報道されていました。日経平均は急騰し、ドル円も円安に大きく動きました。為替などは政府・日銀の為替市場介入以上の動きを見せていた印象です。これでアベノミクスの三本の矢のうちの一つである、金融政策を日銀とともに実施に向けてアナウンスしたと言うことになり、結果的に市場に大きなインパクトを与えた結果になりました。

  結果的にと言うのは、これほどまでの金融緩和策を日銀が打ち出してくるとは誰も思っていなかったと言うことです。これまでの日銀の動きが刷り込まれており、三本の矢とかアベノミクスと言いながらも結局のところ…と言った雰囲気もマーケットにもあったのでしょう。それが証拠に金融政策決定会合の内容が出てくるまでの株や為替の動きを観ていれば一目瞭然ではないでしょうか?

  さて、マスコミの言葉を使えば【異次元緩和】であり、黒田総裁の言葉を借りれば【今までと次元の違う金融緩和】の内容ですが、詳しくは日銀のHPに掲載されておりますし、黒田総裁のコメントも総裁記者会見要旨として掲載されています。

  この総裁記者会見要旨を元に行間を推測したり、言葉の裏を読み取ってマーケットは動いている部分があります。その中で少々目を引いたものがありましたので引用しておきます。

ご承知のように、ETFは、株式をバックにしていますので、ある意味では、潜在的にもの凄く巨大な市場です。

そこで、今のリスクプレミアムの状況をみると、まだまだ圧縮できる余地があるということで、ETFの保有額を 2 倍以上増やそうと決めたわけです。

他方、J-REITは、まだマーケットがそれほど大きくないこともあり、今の条件のもとでは、それほど拡大する余地はないわけですが、いわば資産市場の典型である株式と不動産について、リスクプレミアムを引き下げる余地があるものについては思い切った拡大をしたということです。

(総裁記者会見要旨P10から引用)

  株式をバックにするETFの購入量を倍にすると言うことは、株式の上昇を期待しているわけで、リスクプレミアムを引き下げるとなると、やはり株価や不動産の上昇を意味しているわけです。

  多くの方は問題はないでしょうけれども、ここで勘違いして頂きたいくないのは、日銀総裁が暗に株価や不動産が安いと言っても、価格の上昇にお墨付きを与えているわけではないと言うこと。これまでの政府・日銀の為替市場介入を見れば明らかですよね?一時的思惑通りの方向に動かせても、マーケットの力に逆らうと咎めが後からやってくるわけです。

  『異次元緩和』の凄いところ。政策そのものも大胆で今までと次元が違う事を見せつけましたが、小出しにせずに全てを一気に吐き出したことではないでしょうか?日銀の本気度がマーケットに伝わり、日銀がマーケットと対話をしている姿勢が伺えることではないでしょうか?

《中村 毅》
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中村 毅

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けせらせらファイナンシャルプランナー事務所 金融資産運用アドバイザー たった一度切りの人生、楽しく生きないと!FP面menが語る、現場の声をお伝え。ファイナンシャルプランナーが毎週最新記事を配信する有料メールマガジン。現場の声は現場にいる人間しか解らない。その現場の声を毎週お届けしています。 寄稿者にメッセージを送る

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