株式・債券の相場変動が激しい今、オプション市場の動きに注目

  足元少し調整気味とはいえ、安倍政権への期待から、2012年11月半ばからの株価上昇の勢いは続いており、直近の日経平均株価で見てみますと、8,661.05円(11/13終値) → 13,221.44円(4/16終値)と、約52%の上昇となっています。

  しかし、オプション市場はもっと動いています。

  日銀の黒田総裁が、就任後初の金融緩和に踏み切った4/4(木)を挟んだ、4/2(火)から4/8(月)まで、日経平均株価は12,003.43円 → 13,195.29円(いずれも終値)と、4営業日で上昇幅1,191.88円・上昇率約9.9%と急上昇しました。

  しかし例えば、日経225オプション4月限・権利行使価格13,000円コールのプレミアム(価格)は、同期間で8円→290円と約36倍に、13,500円コールのそれは、1円→60円(いずれも終値)と、何と60倍になっています。特に13,500円コールは、4/8(月)の始値と高値が105円でしたので、4営業日でプレミアムは、MAX105倍にまでなったことになります。

  長期金利が乱高下している債券でも、オプションは動いています。国債先物オプション5月物・権利行使価格143円プットのプレミアムは、4/4(木)の0.01円から、翌4/5(金)には0.45円(いずれも終値)と、たった一日で45倍になっています。そう、長期金利が0.315%まで急低下したのち、0.620%まで急上昇するなど乱高下し、大きく報道されたあの日です。

  政策の「サプライズ」が多いと、ボラティリティ(予想変動率)が上昇し、オプション市場の値動きも激しくなります。株価が大きく上昇してしまい、「アベノミクスに乗り遅れた」と言う方でも、オプション市場まで目を凝らせば、収益機会はまだあることが、おわかりいただけると思います。

  (日経225オプションに関して言えば、今回の4月限の値動きは、取引最終日が迫りプレミアムの価値が減少していた時に、予期せぬ相場の急変動が短期間で起きたため、レバレッジが最高に働いたもので、偶然が重なった、大変珍しいケースではありますが)

  オプション取引は、基本的に

(1)コール(買う権利)の買い:「損失限定・利益無限大」
(2)コール(買う権利)の売り:「損失無限大・利益限定」
(3)プット(売る権利)の買い:「損失限定・利益無限大」
(4)プット(売る権利)の売り:「損失無限大・利益限定」

  の4つしかありません。

  機関投資家は、上記(1)~(4)を組み合わせて複雑な戦略を立てますが、個人の方に向いているのは、(1)(3)の「オプションの買い」です。(2)(4)の「オプションの売り」は、損失が無限大になる可能性がありますので、お勧めできません。一般的にオプションは「難しい」という印象があり、取引にあたっては「原資産価格」、「ボラティリティ」、「残存日数」など諸条件をよく検討する必要がありますが、思うほどとっつきにくくはありません。

  もちろん、リスクは高いので、投資にあたっては商品内容を正しく理解し、しっかりリスク管理する必要があります。また、「オプションの買い」の勝率は極めて低く、今回のようなケースは珍しいことも事実です。しかし、アベノミクスで運用に注目が集まる今、「損失限定・利益無限大」の「オプションの買い」を、選択肢に加えてみるのも一案でしょう。

この記事を書いた人

一色 徹太 一色 徹太»筆者の記事一覧 (6) http://isshiki-fp-office.com/

一色FPオフィス 代表 ファイナンシャル・プランナー
平成元年早大(法)卒。日本生命保険相互会社入社。7年間のアナリスト・ファンドマネージャー(年金運用)、15年間の法人営業の経験を生かし独立系FPに。現在、個人FP相談、講演・セミナー、執筆等に従事。デリバティブ(先物・オプション)とDC(確定拠出年金)に特に精通し、東証(東京証券取引所)でJPXアカデミーのデリバティブ講座の講師も務めている。
<保有資格>:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)、証券アナリスト(CMA)、宅地建物取引士、管理業務主任者、住宅ローンアドバイザー、DCアドバイザー、DCプランナー1級、証券外務員一種、証券内部管理責任者
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