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ごく普通の相続の問題と対策例 ≪都内に住む母親が死亡した場合≫

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  相続はひとにぎりの富裕層の問題・・・と、無関心ではいけません。人が亡くなると財産の多少に関わらず、残された家族は誰もが相続に直面します。なぜなら、葬儀・墓・遺産分割など相続税以外の様々な問題も発生するからです。

  ここでは、平均値や中央値を使用して、都内の一般的な相続を事例に挙げて検証してみます。

ごく普通の相続 ≪都内に住む母親が死亡した場合≫ 

【前提条件】

相続税の非課税枠改正後(平成27年1月~)

・金融資産:550万円 ※1
・土地の相続税評価額:約7000万円 ※2
・数年前に父が他界。父名義の自宅を母が相続して現在一人暮らし
・長男・次男共に独立しており、それぞれマイホーム取得済み

※1 H23金融広報委員会実施の調査“70歳以上の世帯における金融資産保有額”の中央値
   平均値は富裕層が数値を押し上げることがあるので、実態に近い中央値を使用。
   中央値とは、金融資産が少ない人から順に並べたとき中央に位置する人の値。    
※2 戸建て都内平均敷地面積:126㎡
   都内の標準宅地平均路線価:555千円/㎡(H22年分 国税庁)
   ∴555千円/㎡×126㎡=69,930千円≒7000万円

【相続税額の計算】

・基礎控除:4200万円 ※3
・子一人あたりの相続税額: 約200万円 ※4

※3 3000万円+(600万円×2人)=4200万円
※4 {(7000万円+550万円)-4200万円}×1/2×15%-50万円=2,012,500円

【問題点】

・金融資産は分割できるが、残された不動産をどう分割すればよいのか。
・相続税(一人あたり200万円)が発生する。

【対策】

(1) 母親の亡くなる3年以上前から、長男がマイホームを賃貸に出すなどして、自分名義または配偶者名義の不動産に住まないようにする(母との同居は要件としない)

  →母が残した土地は、約1400万円(8割減)で相続できます。そうすれば、課税価格<基礎控除となり、長男・次男共に相続税はかかりません。

(2) 父が亡くなった後、母が老人ホームに入居するようなことになれば有効に土地活用する

  例えば、実家を賃貸に出したり、土地をアスファルト舗装して月極駐車場経営するなど。
  →母が残した土地は約3500万円(5割減)で相続できます。そうすれば、課税価格<基礎控除となり、長男・次男共に相続税はかかりません。

(3) もし長男が同居して母親の面倒を見る場合は、長男を受取人とした生命保険に加入しておく

  →たとえ長男が現金を持っていなくても、土地を手放すことなく、次男へ代償分割として現金を渡すことができる。

(4) 遺言を作成する

  →遺言は一定の強制力を持つ法律上有効な正式書類です。死ぬ前に遺言を作成することは、残された方々を思いやる最期の愛の形です。遺言で遺産分割方法や遺言執行者を指定しておくと、相続はスムーズに進みます。

《長沼 満美愛》
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長沼 満美愛

長沼 満美愛

ファイナンシャルプランナー 神戸女学院大学英文学科卒業後、損害保険会社に就職。長期保険(積立・年金・介護)を専門に扱っていたため必要となった、社会保険・相続・税務の知識を資格化するために退社後CFPを取得。塾講師・家庭教師の豊富な経歴を活かして、“誰でも分かるFP講座講師”・“親身なFP個別相談”を目指している。日本FP協会『2008年 くらしとお金のFP相談室』担当相談員。現在、大学や資格の学校にて資格講座の講師活動中。ブログ:http://ameblo.jp/money-fp/ <保有資格>:CFP 、1級ファイナンシャル・プランニング技能士 寄稿者にメッセージを送る

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