※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

マイホーム購入は消費税増税前か?後か?(金利・その他編)

コラム コラム

  消費税増税に、金利はどのような影響を与えるのだろうか?
 
  仮に土地価格1,000万円、建物価格2,000万円を、借入額3,000万円・35年返済・ボーナス払い無しのフルローンで購入したらどうなるか?試算条件として、土地・建物の設定金額は長野市の不動産広告をもとに現実的でキリの良い数字にしています。また、諸経費とそれに関わる消費税は考慮しません。

  まず、このマイホーム購入にかかる消費税の増税分は、60万円になります。土地代に消費税はかかりませんので、建物代2,000万円に消費税増税分の3%をかけると、60万円になります。
 
  一方、住宅ローンの総返済額は、35年の全期間固定金利で以下のようになります。

金利2.5%の時  総返済額 45,044,397円
金利2.4%の時  総返済額 44,371,887円  2.5%時との差額 672,510円
金利2.3%の時  総返済額 43,705,070円  2.4%時との差額 666,817円
金利2.2%の時  総返済額 43,043,980円  2.3%時との差額 661,090円
金利2.1%の時  総返済額 42,388,650円  2.2%時との差額 655,330円
金利2.0%の時  総返済額 41,739,109円  2.1%時との差額 649,541円
金利1.9%の時  総返済額 41,095,387円  2.0%時との差額 643,722円

  つまり、このケースでは、ローンの適用金利が増税前に比べ0.1%以上下がるようなら、金利差が増税分の負担をカバーしてくれるのです。

  また、金利2.30%と2.21%の差額は595,239円で、2.40%と2.31%の差額は600,393円になります。これは増税前の金利水準が2.4%以上にあった時、増税後に金利が0.09%以上下がれば増税分の負担をカバーできるという事です。

  今現在、長期金利の急上昇が、住宅ローンの金利上昇を予想させますが、増税前までは上昇し、増税した後に0.1%以上金利が下がることは十分に考えられます。金利のピークで借りてしまう可能性もあるのです。ですから、増税だけを理由に、マイホームの購入に踏み切らないで欲しいのです。

  また、注意点は他にもあります。増税前に、現在の家計支出から、目一杯の月々の返済額でローンを組んでしまうと、消費税増税後に増税分だけ家計支出が増えるので、当初の予想以上にローンが苦しくなります。
 
  増税前と増税後とでは、家計支出がどの程度上昇するのかを考慮する必要があります

  特に、消費税は段階的に8%から10%に上がります。10万円に付き5,000円の増税ですが、家計がマイナスもしくは±ゼロと、僅かでもプラスになるのとでは大きく違います。家計には、十分に貯蓄できるだけの余裕を持たせましょう。

  税金はコストの問題です。コストは安く抑えるに越したことはありませんが、「そもそもマイホームは必要か」「購入のための準備が十分にできているか」と言った、本体の問題をよく考えてください。

  決して「経費の問題」を思考のメインにしないで下さい

《田島 稔之》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

田島 稔之

田島 稔之

田島FP事務所(T.F.P.O) 代表 東京情報大学情報学科卒。大学卒業後、小売業に就職。その時にFPと出会い、FPとして独立することを決意。資格取得後、実務経験を得るために転職。不動産業、生命保険セールスを経て2006年田島FP事務所(T,F,P,O)を開業する。「FPにとっての金融商品は、医者にとっての処方箋。診察あっての処方箋」をモットーに、あくまで診察がメインのコンサルティングを行っている。長野県長野市を拠点に、住宅ローン相談や401Kセミナーを中心に活躍している。 <保有資格>:CFP®  1級ファイナンシャル・プランニング技能士  住宅ローンアドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集