投資信託純資産ランキング発表

  6月11日時点での投資信託の純資産ランキングを作ってみました。

  これを見てどう思われますか?ちなみに純資産が大きいと言う事は運用がある程度順調で、かつ人気があるファンドと言えます。

  「毎月分配型ファンドが多い!」 それもありますが、分配金の有無は運用には中立であると思っているので、欲しい人は勝手に選んでもらえばよいのでは。その程度の認識であり、特におかしいとは感じません。「かつてダントツの純資産を誇った、グロソブの凋落が激しい!」 確かにそうですね。
 
  しかし、私が注目して欲しいのはそんなところではありません。網掛けをつけているので、お分かりとおもいますが、リート(REIT)関連のファンドが多いことです。ベスト15のうち4つも登場しています。ETFを除くと10のうち4つにもなります。世界リートも半分以上がアメリカ市場で運用しているため、実質的には、米国リートが10のうち4つ。となります。

リート(REIT)の市場規模は?

  最近の円安傾向から考え、確かにリート関連の商品は狙い目の1つであります。米国不動産市況回復のニュースも頻繁に目にするようになりました。ただし、リートを選択する本心は、分配金利回りの高さであることに間違いないと考えています。

  何を購入するのかも、どんな理由で購入するのかも各投資家の自由なので、第三者がどうこう言う問題ではないのですが、市場規模(=時価総額)との関係はやはり気にすべきです。

  株式投資においても、「時価総額の小さい銘柄は、値動き幅が大きくなる傾向がある!流動性に問題が生じることもある!この2つの理由から、できるならば、慣れないうちは東証一部から選んでください。」と言ってる程です。小さな時価総額しか持っていない市場への投資は細心の注意を払うべきなのです。

  では、リート関連の投信を購入された方の中で米国リートの市場規模を知っている方、購入時に確認された方ってどれくらいいるのでしょうか?

  読者の中でもあまり知らない方が多いと思うので、代わりに調べてみました。米国リートの市場規模はわずか47兆円程度(12年末時点)。380兆円を超える東証一部日本株と比較をしても小さな市場です。トヨタ自動車の20兆円よりは大きいのですが、アメリカのアップルには負けてしまうくらいの規模です。

学習しない投資家の面々

  市場規模と運用資金の関係はクジラに例えられます。太平洋の真ん中で一匹のクジラが暴れたところで、大きな影響はありませんが、同じクジラが池の中で暴れた場合には大変なことになります。池の水が無くなってしまうことも有り得ます。

  運用も同じです、市場規模の小さなところに、1,500兆円にも届きそうな、世界一の日本人個人資産が流れこむとどうなりますか?過去にも、日本でのブームが、オーストラリアやニュージーランド国債市場をメチャクチャに荒らしてきました。通貨選択型レアルタイプの投資信託がレアル相場に大きな影響を与えてきました。その反省がまったく見られません。

  「日本人全体など関係ない。俺の資産運用だから文句を言うな。俺1人のお金なんて大したことはないだろう。」

  そう思う方もいるかも知れませんが、実は2つの点で大きく関係します。1つは、運用結果のブレの大きさが自身の資産価額に大きな影響を与える可能性が高くなることです。相場で勝負をしようと考えているのであれば、問題ないのですが、安定した運用を考えている方には注意していただきたい点です。

  もう1点は、分散投資においては市場規模もある程度は念頭に置くべきである。とのセオリーから外れてしまっていることです。長期安定運用のために分散投資をしているのであれば、基本配分は市場規模から大きくハズレないポートフォリオとすべきです。レアルやトルコリラや南アランドへの傾斜が勧められるものではないのと同じ理屈です。

  金融機関の推奨があるのか、分配金利回りに目が眩んだ個人が積極的に選択しているのかは分かりませんが、「時価総額45兆円市場の投信が続々とランキング入り?」「そのうちグロソブを抜いてトップに?」いやぁあり得ないです。明らかに変です。そもそも、分配金利回りにしても、リート自体のインカム収入は3%程度しかないことを知ってのことでしょうか。

  すでに、国内リートのブームにのった人の中には、激しい動きにしっぺ返しを食らった方が多くいると聞きます。自分で組入銘柄を厳選できない投資信託を使っているからこそ、安定重視のポートフォリオとすべきです。あまりにも自分の大切な資産運用に無関心で、無責任過ぎるのではないでしょうか。投資信託を利用するだけでOKと思い込み過ぎではないでしょうか。

  そう思えて仕方ありません。