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日本のがん対策・医療費対策で二兆円削減も可能

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日本のがん対策・医療費対策で二兆円削減も可能

  「日本はがん対策後進国」ということは一部の医師などからは、以前より言われています。しかしながら、現実としては、がん患者数が増え続ける中、「がん検診率」は他の先進国と比べて、圧倒的に低い。


  厚生労働省のホームページのでさえ、「生活習慣病」の中に「がん」が入っていない。

  「がん教育」から「医療費削減」まで一貫した対策がされていない。私は医師ではないが、日本のがん医療自体は低くないと考えていますが、効果的な「がん情報」の提供と「がん教育」はされていないと考えます。国立がんセンターのがん情報でさえ、一般向けにわかりやすいとは言い難い。例として、どの「がん」で亡くなる方が多いのか、「がん予防」「がんの早期発見」という気持ちにさせるには非常に分かりにくい。 (参考:がん研究センター)

  例えば、どの部位のがんで亡くなっている人が多いかなどは、亡くなる人が多い順番でグラフ化すれば、見る方も、どの種類の「がん」に注意しなければならないか理解しやすい。医学的に間違っていないが、見る人に行動を起こさせるという内容になっていません。

  例えば、同じことを伝えるにしても、がんに罹る確率はすでに国立がんセンターの発表では


  これを男性二人女性二人の4人家族に当てはめると「家族のだれかもしくは複数ががんに罹る確率は、94.3%」になります。「伝え方」でこれだけ違ってきます。


  医師以外の一般の方が、「がん」のことを聞く機会が一番多いのは「保険会社の宣伝」ではないでしょうか。保険会社の宣伝自体は「うそ」ではないが、保険販売が目的であるから、販売目的の情報に偏っている。TV番組で「がん」について特集される場合もあるが、「関心」のある人しか、見ていないと予想されます。

  結果として、医師以外の一般の方のイメージとして、「がんに罹った方は運が悪い」とか「がんに罹ったらあきらめる」と言いながら喫煙している人も多いと予想される。日本人の一人当たりの年間喫煙本数は実に世界で12番目という結果がでています。


  1日21本以上喫煙する重度喫煙者は男性で28.1%、女性で10.6%というのが日本の特徴です。さらに「喫煙」と「食生活」だけで「がん」の原因の60%を占めるという研究結果がアメリカのハーバード大学からリポートが発表されている。日本人のデータではないが、アメリカ人との大差は無いと予想されます。


  「国立がんセンター」では「がんを防ぐための12カ条」と「がんを防ぐ新12か条」を公表し、実行すれば70%がんを予防できるとしている。

 

  そもそも「がんの知識」がなければ「がん予防」「がん検診」を実行する人が増えないのは容易に想像できます。


  がん予防は結果として他の病気も防ぐ。前述した「がんを防ぐための12カ条」と「がんを防ぐための新12か条」というものの内容は、「たばこは吸わない」「塩辛い職員は控えめに」「野菜やくだものは豊富に」「適切な体重維持」など「がん以外の病気」の健康維持と共通する部分が多い。

  しかし、単純に健康のためにといわれるよりは「がんの防ぐ」と言われた方が、実行する人が増えると予想されます。実例として、今年、男女ともに長寿県となった長野県は「がんの死亡率」も低い。一人当たりの医療費(市町村健康保険+後期高齢者医療制度)の実績も全国平均の96.5%となっています。つまり全国平均より3.5%少ない。

  東京都は長野県より一人当たり医療費は少ないがもともと若い人の比率が大きいと低くでるので、日本全国と長野県の人口ピラミッドを比較すると同じ用な傾向を示している。


  これを、2025年を目標にして、単純に医療費を3.5%削減すると国家予算の中の医療費は約1.9憶円減らすことが可能ということになります。


  長野県はおよそ30年間の地道な活動により、日本一の長寿県になり、がん死亡率、一人当たりの医療費を減らしてきました。現在、情報の伝達スピードはくらべものにならないほど速い。また、「塩分濃度計」はたった2500円で購入することも可能になっていますから、以前は感覚的だったものが安価に計測できるようになっています。ITを使い、「がん」「がん以外の病気」の予防もある程度可能と考えられます。

  現状の医師以外の一般の平均的な「がんの知識」は小学生レベルではないかと予想されますが、これを少なくとも「中学生レベル」あるいは「高校生レベル」に上げ「がん検診率50%以上」を達成させることが必要と考えます。

  例えば、女性のがん死亡原因は「乳がん」と考えている方も多いようであるが、1位は「大腸がん」で、「乳がん」は5位です。


  また、若い方の喫煙率を下げるために「たばこの販売方法」を再度見直す必要もあります。私が説明させていただいた内容は「仮定」の部分も多いですが、今のままでは、厚生労働省の予想通りに2025年には医療費だけで54兆円になってしまうでしょう。ムダな使われ方をしているのは、元々は我々が負担している税金です

  「仮定」の精度も重要ではあるが、このままでは、毎年、何億円もムダに使われる。約1.9兆円の予想とはいえ、一兆円を超える削減は他では困難でしょう。若い人の将来の「年金負担」は避けられないでしょうが、「医療費」の増加を減らすことは可能です。長野県が実際に証明しています。以上

《金森 徹也》
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金森 徹也

金森 徹也

アルカディアFP事務所 代表 住宅ローンアドバイザー 北海道立岩見沢東高校卒業。群馬大学工学部機械工学科卒業。1997年 東京海上火災保険 研修社員として入社。研修卒業後、保険代理店として独立。2007年12月 FP事務所を開業。現在、保険を販売しないFP事務所として公平中立なアドバイスをしています。 長期間の「抗がん剤治療」から「命」を守る保険選び、保険の見直し方などの「講演」「執筆」中心に活動。マネーの相談件数は数えた分だけで1200件以上。「教えて保険」の実質的に一人で回答、All About Japanスーパーおすすめサイト大賞2004受賞に貢献。「よみうりプラザ」に「保険の見直し講座500万円の無駄を減らそう」を1年間連載。 寄稿者にメッセージを送る

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