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生保業界で激しさ増す「生前贈与マネーの争奪戦」

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生保業界で激しさ増す「生前贈与マネーの争奪戦」

1.相続税の基礎控除の縮小、最高税率の引き上げ

  2013年度の税制改正で15年1月以降の相続税から相続税の基礎控除を縮小し、最高税率を引き上げることが決まった。

※基礎控除:2014年中は、5000万円+1000万円×法定相続人の数。
      2015年1月以降は、3000万円+600万円×法定相続人の数。
 最高税率:相続人の取得金額6億円以上が新設され、税率が55%。

2.生保各社は相続増税をチャンスと捉えている。

  生命保険を使った相続対策この相続増税を控え、生命保険を使った相続対策への需要が強まり、生保各社は営業攻勢を強めている。相続対策の一つの手法である「生前贈与の非課税枠」を活用した保険加入の提案に各社とも力を入れているのだ。

  その提案とは、親が贈与税の非課税枠(年間110万円)のなかで、子供の生命保険料を負担し、子供名義で終身保険や長期定期保険、個人年金保険などを契約する。生前贈与によって、相続税の課税価格を引き下ることができ、結果的に相続税の負担が軽くなる。

  また、FP(ファイナンシャルプランナー)資格を持つ社員による富裕層向けコンサルティングにおいては、「生命保険は受取人を指定することで、自分が財産を譲りたい相続人に現金を残せる」点と、「受取った生命保険金は相続人の固有財産」など、生命保険は相続トラブルも防止できるという提案にも力を入れている。
  
  日生や明治安田などの大手生保では、生前贈与を使った保険加入が前年よりも2倍~4倍に膨れ上がっている状況だ。
  
  少子化により、死亡保障系の契約数は減少。死亡保険金の合計額を示す保有契約高は2012年末で861兆円。16年連続で減り続け、ピーク時の6割程度。生保各社とも相続対策に絡めた保険を医療保険・介護保険と並ぶ成長分野として位置づけし、需要の掘り起こしに躍起になっている。
    

3.保険会社の思惑を理解した上で対処しましょう。

  みなさんには、これらの保険会社の思惑をしっかり理解した上で、保険会社や保険募集人と対峙して欲しいと願うばかりだ。やみくもに相続対策で保険を売り付けるような募集人が少なからずいる。
  
  本当に、保険を使った相続対策をしなければいけないのか?もしかりに相続対策をしなければいけない場合でも、保険以外の方法がたくさん存在する。
  
  しっかりした相続対策を検討する場合は、税金や民法の知識も含めたトータル的なアドバイスができる専門家に相談するのも選択肢だ。ご自身にとってベストな選択をしていただきたい。

《釜口 博》
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釜口 博

釜口 博

㈱ジョイント・プレジャー 代表取締役 保険実務に強いファイナンシャルプランナーとして、また自身の営業経験を活かした営業実務研修は、即実行できる内容との評価が高い。 <保有資格>:CFP  1級ファイナンシャルプランナー技能士 二種証券外務員 相続士 寄稿者にメッセージを送る

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