こんにちは、渡辺のりおです。急に寒さを感じるようになりましたね。先日、クローゼットからコートやマフラーを引っ張り出しました。慌てて防寒用の衣類を準備された方も、多いのではないでしょうか。今回はそんな時期にやっておきたい、もう一つの冬支度「医療費控除の準備」についてお話します。

 確定申告の時期に税務署に行こうとすると、「混んでいるし、還付される金額も僅かだから」と、ついつい面倒になってしまいますね。実は、医療費控除のような還付金の申告は、2月中旬から3月中旬の確定申告時期でなくても受け付けてくれます。今から準備をして、税務署が比較的すいている1月に申告すると良いですよ。

 思ったよりも還付金の額が少なかった、という経験をされた方もおられるかもしれませんが、医療費控除は所得税の還付だけでなく、翌年度の住民税やお子さまの保育料※1にも影響します。

※1 所得税額や住民税額に応じて保育料が決まる認可保育所の場合

 例えば、私が住む県の政令指定都市の場合ですと、年間の所得税額が413,000円以上734,000円未満なら保育料は66,000円。年間の所得税額が413,000円未満になると保育料は49,700円です。

※2 3歳児未満の第1子

 申告することで、このように所得税が減ると、保育料が年間で195,600円も安くなります。保育所に通うお子さんがおられたり、入所予定のお子さんがおられるご家庭は、手間を惜しまず申告するようにしてください。

 ところで、いざレシートや領収書を集めてみると、「これって医療費控除の対象になるの?」と迷うものもありますね。両親の介護のために仕送りをしているといった場合も、医療費控除の対象になるケースがあります。見落としがちな控除の対象となる医療費を上げてみましたので、ご覧ください。

見落としがちな控除対象の医療費

〇 ドラッグストアなどで買った市販薬

〇 通院の交通費

 電車やバスなどの交通機関の場合は、レシートがなくても対象になります。日付、病院名、利用した交通機関の駅名、かかった運賃を書き出しておきましょう。病院の領収書も必要です。タクシーは領収書があれば大丈夫です。マイカーで通院したときのガソリン代や駐車場代は対象になりません。

〇 インプラントや金歯

 歯科治療に関しては、インプラントや金、ポーセレン等を使った自由診療も対象になります。子どもの歯列矯正は対象ですが、美容目的で矯正した場合は対象外となります。

〇 治療の一環として認められた針灸・マッサージ等の費用

 健康保険が使える診療を行っている鍼灸院であれば、対象になる可能性があります。

〇 進学のために親元を離れて下宿している子どもの医療費

 一緒に暮らしていなくても、生計が同じ未婚の子なら合算できます。

〇 入院の際の部屋代や食事代の費用

〇 コルセットなどの医療用器具等の購入代やそのレンタル料

〇 出産の検診・分娩にまつわる費用

 出産のための里帰り旅費等は対象外です。また、健康保険などから支給される出産育児一時金は、医療費から差し引いて計算しますが、出産一時金は差し引きません。

介護に関する見落としがちな控除対象の医療費

 ここからは、介護に関するものです。同居の家族だけではなく、生活費や療養費などを継続して送金している別居のご両親の費用なども、対象になる場合があります。

〇 介護保険制度の在宅介護サービスにかかる一部負担金や介護施設での利用料の一部

 たとえば、特別養護老人ホームの利用料(介護費、食費、居住費)は2分の1が対象です。

〇 介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設、助産所を利用した際に払った費用

〇 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価

〇 介護保険で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額

〇 介護に要するおむつ代

 医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要です。これも医療費控除の対象なの?! と思うものもあったかもしれませんね。

 「我が家はみんな健康だから、申告できるほどの医療費はかからない」と、お考えの方も居られるかもしれません。年末に高額な医療費がかかったりすると、あの時の領収証を取っておけば一緒に申告できたのに、ということもあります。ご家族の医療費にかかった領収証は、1年分を全部一まとめにしておくことをお勧めします。

 最後になりましたが、医療費控除はご家族の中で最も所得の多い人が、申告するようにしてくださいね。(執筆者:渡辺 紀夫)