私はニュース、ドキュメンタリー、大河ドラマ以外のテレビは見ない主義なのですが、先日たまたま「半沢直樹」第9話を見る機会があり、たちまちストーリーにはまってしまいました。最終回の第10話も見ましたが、きっとこれと同じような出来事が日本中で起こっているに違いなく、ある意味では限りなくノンフィクションに近いドキュメンタリー番組とも言える本当に衝撃的な内容でした。

 もしも半沢直樹が香港駐在になったら、金融庁の黒崎検査官に対して、きっとこう言うでしょう。

半沢「金融規制が少なく、タックスヘイブン税制の香港には世界で最も優れた金融サービスがあります。もちろん日本人にとって言葉の壁はありますが、英語が少し話せるようになるだけで、世界最高の金融サービスを享受することができます。それでもコストの高い日本の金融サービスを我々の顧客に強要し続けるのですか、黒崎検査官!」

黒崎「あら、日本の金融サービスにかかる規制コストが、香港と比べて高すぎるってことかしら? 具体的にどのような規制コストの違いがあるのかしら?」

半沢「香港では法人税の最高税率が16.5%、所得税の最高税率が15.5%というタックスヘイブン税制のメリットを生かして、世界中の金融機関が香港に集結しています。特に、外国株・外国債券で運用する金融商品は、日本国内で購入するよりも手数料率が有利な商品が数多くあります。」

黒崎「あら、そうなの~? でも、日本人にとって、海外の金融商品ってやっぱり敷居が高いんじゃないの~?」

半沢「IFAと呼ばれる独立系ファイナンシャルアドバイザー達が香港内にあるほとんどの保険会社の個人年金プランを取り扱っており、顧客の立場にたったアドバイスを提供しています。日本の国民年金と違って、少子高齢化によって年金支給額を減らされたり、年金支給開始年齢を引き上げられることはないため、香港の個人年金プランが、国民年金に対する不信感の受け皿になってしまっている状況です。」

黒崎「国民年金は世代間の助け合いを前提とした制度なのよ。みんなが海外に資産を移して、国民年金を払わない人達がもっと増えたら、困るじゃな~い。」

半沢「1975年に出生率が2.0を下回って以降、少子高齢化によって社会保障費が次第に増加していくことが明らかであったにもかかわらず、社会保障費の増加を抑制する政策が実施されなかったことは政治の怠慢と言えます。いまの社会保障制度を継続することによって将来世代の負担が増え続けることは法の下の平等に反する、と違憲判決が下される日がそう遠くない将来にやってくるのかもしれません。」

黒崎「いまの現役世代は、将来世代から”倍返し”されるってことかしら?」

半沢「いいえ、”百倍返し”です!!!」

今月のマネーの教訓

 いまの現役世代は、将来世代から百倍返しされる前に、自分の老後は自分で守る用意を早めにしておく必要がある。

以上(執筆者:木津 英隆)