打ち合わせのため横浜駅に降りると長蛇の列が。先頭まで行ってみると、宝くじを購入する人の列でした。そういえばこの売り場は、よく当たりが出ると評判の売り場だったのです。

 「ゆとりある老後に必要な資金」は2億円、年金や退職金を差し引いても5,000万円は必要との試算もありますが、年末ジャンボで7億円が当たったら、老後のお金の不安など、いっぺんに吹っ飛んでしまうことでしょう。それどころか、今すぐサラリーマンをやめたって、生涯暮らしていくのに十分なお金です。

 宝くじの1等に当選する確率は1,000万分の1だそうです。理屈で考えればまず当たるはずもないのですが、購入時はなんだか絶対に当たりそうな気がする。ちなみに私も連番で10枚購入し、7億円の使い道をいろいろと考えてしまいました。

年金生活者が7億円を手に入れたら

 年金生活を送る人にとって、億単位の資金が入ったらどんなにありがたいでしょう。運用して資産を倍にしようなどと下手なことを考えず、消費することに専念すればよいのです。元気な人は、旅行や趣味にいくらでもお金をかけることができます。

 介護が必要になれば、高級老人ホームに入所して手厚い介護を受けることもできるし、自宅がよければ住み込みの看護師を雇うことだってできます。2015年から年金280万円以上の人は介護保険の自己負担が2割になり、特養の入所条件だって厳しくなりますが、そんなことに怯える必要もないのです。

現役世代が7億円を手に入れたら

 もちろん、現役世代にとっても、お金がほしいのは同じです。お金さえあればビジネスで成功できるのにと考える人は少なくないでしょう。独立して六本木、渋谷あたりに事務所を構え、優秀な社員を雇い、ガンガンCMを流して…。

 実はこれは失敗パターンの典型です。海外でも高額な懸賞金を手にして成功した人はほとんどいません。自分で汗をかいて掴み取ったお金ではないから、イメージばかりが先行して、金の使い方が雑で、無計画になるからでしょう。変な投資話に乗せられたり、甘い計画でビジネスに参入したり、親せきや友人にいいように利用されて借金を抱えるというケースまであります。

7億円を手に入れて成功できる人間とは

 宝くじは夢を買うという面が大きいのですが、人生では「○○さえ手に入ればうまくいく」なんてことはないのです。有名大学に入れば、あるいは一流会社に入れば人生がうまくいくというのは死語になりつつありますが、資格さえあれば成功できるのに、お金さえあれば成功できるのにと考える人は少なくありませんね。

 でも結局、手持ちの武器で勝負できなければ、どんな強力な武器を手にしても勝てないのではないでしょうか。あなたが今持っている武器はなんでしょう。本当に、それを最大限使って生きているのでしょうか。

 お金がないからできないと嘆く前に、手持ちの武器(お金、キャリア、スキル、人脈など)でどこまでできるかを考えてみませんか。お金が少ないのなら、頭と体を使うしかないわけです。人と同じことをしていては勝負になりませんから、アイデアを振り絞ってビジネスプランを練ってみましょう。

 5年ぐらいの事業計画、収支計画書を作ってみると、リアリティが出てきます。その上で、試しに7億円が入った時のイメージも持ってみる。7億円を元手にビジネスで成功したら、7億円を寄付して社会に還元するぐらいの気概があれば、運命の女神が微笑んでくれるかもしれません。7億円を手に入れて成功できる人間は、7億円がなくてもうまく生きられる人間だけなのではないかと思います。(執筆者:草薙 祐子)