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遺言書は、本当に必要か? 遺言書作成が心に傷を残すことも

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遺言書は、本当に必要か? 遺言書作成が心に傷を残すことも

 日々、会計事務所にて相続の実務を行っています相続FPの橋本玄也です。最近、相続税増税にからみ、遺言書作成を勧める方がいます。確かに、相続税の計算上、遺言書がなく、遺産分割協議の話がまとまらないと、小規模宅地の税額軽減等の特例が使えなく相続税は高くなってしまうからです。

 では、遺言書さえあれば相続人全員が「幸せ」になれるのでしょうか?

 実際、ある方の相続税申告をお手伝いしたときの事です。母が亡くなり、相続人は姉と弟の二人でした。弟が知人の弁護士に依頼し母が公正証書遺言を作成していました。弟は2/3の内容で遺留分の問題もありません。が、姉の気持ちがおさまりません。姉は、自分が愛した母が何故、遺言で弟より少なくしたのか、納得できなかったのです。

 結局、弟さんが遺言書による分割をあきらめ遺産分割協議にて1/2にすることで話は着きましたが、申告は10か月ぎりぎりとなりました。

 このケースの場合、一番の問題は、遺言書を作成することで、姉に「心の傷」が残ったことです。僕は、この経験を踏まえ同じ血の濃さの兄弟姉妹のみの場合は、原則遺言書は作らず、相続発生後、相続人全員がお互い譲り合い決めるのが一番であると提案するようになりました。(執筆者:橋本 玄也)

《橋本 玄也》
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橋本 玄也

執筆者:FP1級、相続一筋20年 橋本 玄也 橋本 玄也

父の死をきっかけに相続に関心を持つ。その後、祖母、母の相続と3回相続を経験。自身の体験から相続人の気持ちがわかるFPです。愛知県の会計事務所にて20年近く相続専門の実務担当として様々な体験をし、遺産分割はこれまで500件以上関わりました。まとまる相続、相続人全員の方から喜んでいただくのを生きがいに、おかげさまで在職中担当したお客さますべて、全員の合意による遺産分割を行うことができました。現在は経験を活し、老人会、市役所、商工会議所、ハウスメーカー、金融機関、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会等、講師を行っています。 <保有資格>:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、宅地建物取引士、相続診断士 寄稿者にメッセージを送る

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