前回のこのコラムで、「人民元投資」と中国からの海外送金について、元高と日本の10倍以上の高い預金金利というキャピタルゲインとインカムゲインを同時に受け取れるという二重の投資益について触れました。

人民元と投資のチャンス

 人民元はその後も対米ドルレートで上昇し、年末の12月31日付けでついに1米ドル対6.1人民元の大台を突破して6.0969となり、2005年7月21日人民元切上げ以来の最高値を更新し、切上げ時の為替は8.2765だった人民元は8年5か月で35.7%上昇したことになります。

 人民元切上げ(元高)の原因について対主要国の貿易黒字が一番の原因だとされますが、この傾向は今後暫く続くものと考えられます。当社「京華投資視察団」は有望な上場企業に投資するため、これら企業を実地で訪問していますが、輸出関連企業は元高に苦しみ、苦戦している様子を目のあたりにしています。

 もともと輸出関連製造業の利益率は5%前後ですが、通貨が35%も切上げられては、いくらコスト削減など企業努力してもこれには追いつかないことは火を見るより明らかなことです。

 では、そこに投資のチャンスはないかと言うとそうではありません。株式投資ではその反対―――業績好調な輸入の企業に投資すればいいし、通貨そのものに投資するのも方法の一つです。FXで投資される方もいらっしゃるのでしょうが、本稿では実際に現地で預貯金する方法についてご紹介します。

人民元口座の開設方法

 では、日本の投資家が現地で銀行口座は作れるのでしょうか。答えは「Yes」です。

 日本では、短期間の来日観光客にどこの銀行も口座を作ってくれません。住民票がなく、本人特定ができないことが表立った理由のようですが、脱税だったり、マネーロンダリングの嫌疑があった時にわざわざ海外に行って本人を掴めて照合するには割に合わないのが本音ではないでしょうか。

 中国現地で口座を開設するのには、パスポートの提示のみでできます。窓口で新規口座の申し込みという意思表示をして用紙をもらって関連事項を記入すれば完了という流れになります。連絡先の住所欄は一番戸惑う項目ですが、宿泊のホテルの名前だけでも通ります。

 重要なのは6ケタのPWを設定することとインタネットバンキングを申込むことです。これさえ押さえれば日本にいながらも口座を操作することができます。

 中国では、いま春節(旧正月)の最中で、観光客がこぞって日本に来て、ショッピングを楽しんでいる風景が連日報道されています。百万円以上の時計を買う場面も見られますが、キャッシュを使っている様子はあまりみかけません。Union Pay(銀聯)というデビットカードを使っています。これも合わせて銀行の窓口で申し込みますと、日本の主要な百貨店や飲食店などUnion Pay(銀聯)の標識のあるお店でクレジットカード同様に使えます。

 海外投資に慣れている方は人民元投資も選択肢の一つでしょう。(執筆者:徐 学林)