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分散の理論的根拠 現代ポートフォリオ理論

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分散の理論的根拠 現代ポートフォリオ理論

 前回は、どうやって資産運用を始めてよいかわからない方は、大きな損失を出さないためにも分散投資を行うことが基本であるということを書きました。今回は、その理論的な背景を簡単に説明したいと思います。

現代ポートフォリオ理論

 現在の資産運用の理論の中で、基礎となっているものは、現代ポートフォリオ理論(Modern Potofolio Theory)と呼ばれるものです。証券アナリストの証券分析の科目では、主にこの理論を勉強します。この理論は、1990年にノーベル経済学賞を受賞したマーコウィッツという人が、1952年に発表した論文をきっかけにして体系化されたもののようです。

 もちろんいくつか気になる部分もあるのですが、「こんなことを考えた人がいるのか、すごいなー」と単純に感動してしまうようなものです。いろいろ数式や統計などが出てきて、とっつきにくくなっているのですが、簡単に言ってしまうと、リスクとリターンの関係を分析して、最適な資産配分を考える理論であると言ってよいと思います。

 この理論の根幹をなしているのが分散投資の考え方になっているので、資産運用の基本は分散といえるわけですね。

 ちなみにポートフォリオという言葉をご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、資産運用においては、株式や債券などをどのような割合で持つかという資産の組み合わせのことです。

ポートフォリオのリスク分散効果

 それでは、分散することによる効果とはなんなのでしょうか? 前回書いたように、複数の資産に配分することで、大きな損失を出す可能性が少なくなることは直感的に理解できるのではないかと思います。しかし、分散の効果はこれだけではありません。ポートフォリオ全体のリスクを小さくする効果もあります。

 もう少しかみくだいていうと、同じリターンをえる場合であっても、分散されたポートフォリオの方がリスクは低いということです。つまり理論的には、分散されたポートフォリオの方がより少ないリスクで同じリターンをえることができるわけです。これをポートフォリオのリスク分散効果といいます。

 理論が現実にそのまま当てはまるかどうかはわかりませんが、少なくとも大きな失敗をする可能性は減るのではないでしょうか。少し抽象的でわかりにくかった人もいらっしゃるかもしれませんが、最終的には、分散することが大切だということを理解していただければ問題ないのではないかと思います。(執筆者:興松 敬史)

《編集部》
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