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ゴルフ会員権の損益通算制限と「ぜいたく品」

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ゴルフ会員権の損益通算制限と「ぜいたく品」

 平成26年度税制改正案のうち話題の1つが、ゴルフ会員権の譲渡損失(赤字)と他の所得(黒字)との「損益通算」の制限です。制限されるのではと前々からいわれていましたが、「ついに来たか!」という感じです。

 そもそも「損益通算」とは何かというと…所得税では、ある人の所得をその収入の内容によって全部で10種類に区分して計算します。例えば、会社から受ける給料や賞与は「給与所得」、アパート経営による家賃収入は「不動産所得」という具合です。

 それぞれ計算した10種類の所得の内、一定の所得の損失(赤字)については他の一定の所得(黒字)と相殺することができ、これを「損益通算」といいます。相殺した分だけ課税対象が減って所得税が軽減されるという効果があります。

 ただし、損失(赤字)であっても損益通算の対象とならないものの区分の1つとして、以下のようなものに係る損失があります。

○競走馬(事業用でないもの。例外あり)

○一個(一組)の価額が30万円を超える貴金属、書画、こっとう、美術工芸品等

○別荘など、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産
 (土地・建物等の譲渡による損失については、この規定とは別に、一定の住宅の譲渡を除き土地・建物等の譲渡による所得としか相殺できません)

 上記のものは、「生活に通常必要でない資産」として規定されています。いわば税務上の「ぜいたく品」とでもいうのでしょうか。「ぜいたく品」についての損失なのだから、損益通算して税金を軽減してあげることもないよネ! という訳です。

 これまでは、この「ぜいたく品」の範囲にゴルフ会員権は含まれておらず、ゴルフ会員権の譲渡損失は損益通算が認められています。今回の改正案では、ゴルフ会員権等を「ぜいたく品」の範囲に加えるとされており、譲渡損失の損益通算は出来なくなるということです。

 この制限は「平成26年4月1日以後に行う譲渡等」について適用される予定ですので、損失が出ているけれども売却しようかという場合は情報を収集しご検討下さい。なお、晴れて? ぜいたく品の仲間入りをするのは、3月末に予定される省令の改正においてのようです。(平成26年2月15日現在)(執筆者:八ッ井 久嘉)

《八ッ井 久嘉》
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八ッ井 久嘉

八ッ井 久嘉

八ッ井税理士・FP事務所 代表 北海道帯広市生まれ。中央大学経済学部卒業。会計事務所勤務を経て独立開業。 現在、東京都千代田区にて税理士・FP事務所を経営。中小企業の決算・申告、利益計画策定支援、相続対策等の業務に従事。FPとしてライフプランセミナーの他、FP受験講座、金融機関、ハウスメーカーの社員研修など講師活動も行う。 <保有資格>:税理士 CFP 寄稿者にメッセージを送る

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