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消費税増税駆け込み需要に思う

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 政府の打ち出した、4月1日消費税8%の増税まで1ヵ月を切った。消費税率が3%上がると、国民全体の負担増は8兆円となる。この8兆円の行方を国民はウオッチすることが重要だ。

 ここにきて、増税逃れのためのいわゆる”駆け込み需要”の動きが活発化している。こうした駆け込み需要は、自動車やデパートの高級時計や宝飾品、住宅などの高級品から始まり、日数が迫ってくると、スーパーなどの飲料や調味料、日用品のまとめ買いに移行してゆくのが一般的なパターンだ。

 買う方は、少しでも税金を払わないで済み、家計が助かるとの思惑があり、売る方は、千歳一隅のチャンスとばかり、在庫一掃を目指して「お買い得」セールを打ち出す。

 どちらも当然の心理であるが、この「駆け込み需要」が活発化すればするほど、増税後の反動が大きいものになる、と言うことを忘れてはならないだろう。

 過去の消費税増税後が、いかに日本経済に大きな影響を与えてきたか、それを今だにデフレ不況という名で引きずってきたのだ。

 消費税率が3%から5%に上がリ、初めて日本に導入された1989年は、バブル絶頂期であり、その反動減は、さほど日本経済への影響は少なく、駆け込み需要は今ほどすさまじくはなかったといえよう。

 だがここで駆け込み需要と消費の落ち込みの落差を経験したはずだ。

 しかし97年の3%から5%に上げた時期は、バブル崩壊後であり、その反動は大きく、長引き、日本経済への影響は大きく、銀行や、証券会社の破たんが相次いだ。消費税増税がデフレ不況の要因の一つとなった、象徴的な時代であったと言えよう。

 現在の経済状態は当時と比べて大きく違い、大企業を中心とした賃上げ傾向、デフレ脱出ムードも高まり、安定成長の時期に来ているのは確かだ。

 やはり今回の駆け込み需要のすさまじさを見ると、その反動は大きく懸念材料となりそう。この後すぐに、消費税10%値上げが控えており、日本経済の今後の未透視は不透明と言えそうだ。

 消費者側の駆け込み需要は、これからが本番になりそうだが、「お買い得」セールの売り手側の宣伝キャンペーンに惑わされることなく、余分なものを買うことなく、必要なものだけを求める姿勢が必要だろう。

 一方売り手側は、来年10%消費税率アップを視野に入れた、店舗新装や売り場改装の動きもあり、その対応策に取り組んでいる。消費税率アップ後、大幅消費減を見込んだ、きめの細かい対策が不可欠となろう。(執筆者:向井 潤)

《編集部》
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