1. 大手生保、主力商品の保険料割引へ舵をきる

 生保最大手の日本生命が、4月から主力商品の保険料割引に踏み切る。また、第一生命は、提携損保である損保ジャパンの生保子会社を買収した上で、ネット生保事業に参入、2015年中頃に低価格の生保商品を販売する計画を発表。

2. 大手生保のシェア低下

 外資系、新興系、損保系などの生保が保険料最安値を競っている状況とは一線を画してきた大手生保だが、ここ数年の間に大きくシェアを落してきている。

◇2003年3月末のシェア
日生21%、第一14%、明治安田13%、住友10%、外資系17%、新興系等18%

◇2013年3月末シェア
日生14%、第一10%、明治安田10%、住友8%、外資系21%、新興系等32%

 日本生命、第一生命とも、若年者をターゲットにした価格改定を戦略の柱としているのが特徴だ。

 30代~50代への高額な死亡保障を得意としてきた大手生保が、若年層の取り込みに動く理由は、この10年ほどの保有契約の動向を見れば一目瞭然。

 例えば、日本生命の場合、2003年~2013年の10年間で、個人保険・年金の契約件数は、約18%の減少。特に30代以下の割合は34.6%⇒21.5%(13ポイント減)、対象的に60代以上では、21.5%⇒32%に上昇。

3. 安定経営のために必要な戦略とは?

 契約者の高齢化は将来の収益基盤の先細りに繋がる。安定した規模の拡大が生保事業には必須であり、そのためには若い世代の取り込みは必要不可欠。

4. 生き残りをかけた保険料割引戦略がどう出るか?

 標準利率引き下げにより、生保各社の予定利率も引き下げになり、本来は保険料を引き上げしなければ収益悪化になる局面だ。そういう局面での保険料引き下げは、生き残りをかけた、まさに背水の陣を敷く戦略と言える。大手生保の保険料引き下げにより、各社の商品開発、保険料戦略も熱を帯びてくると思われる。(執筆者:釜口 博)