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厚労省 入札資料を事前提供していたことが判明

ビジネス 経済

 天下り根絶をスローガンとして、与野党が垣根を越えて、国会議員が活発に動いたのは遠い昔の事。またぞろ天下りの企業の復活状況が見えてきた。2020年の東京オリンピックを控え、公共工事が目白押し、今後官民癒着の構造が見えてくる。

 長期失業者などに、無料の職業訓練を提供する「短期集中特別訓練事業」の入札で、独立行政法人「高齢者求職者雇用支援機構(JEED)」(千葉市)に、厚生労働省は、入札以前に関係資料を渡していたことを、このほど明らかにした。

 入札形式は、企画書の内容で競う企画競争入札で、公示後に企画書作成の手引きとなる仕様書が、入札希望者に配布されることになっている。

 しかしそれ以前の2月17日に同省幹部が、JEEDを訪れ、作成中の仕様書を見せ手渡したと言う。

 提供した内容は、応札の際に提出する、企画書作成に必要な仕様書案や、事業の実施日程、イメージ図などを、同省担当幹部らが、説明と同時にJEED側に直接手渡したと言う。その際JEED側からの働き掛けは一切なかったと言う。

 また翌日の18日、参加要件をインターネットのホームページ(HP)で公表した際、JEEDが保持していない「全省庁統一資格」を要件の一つとなっていたが、この企画、JEEDは持っていなく、このままいけば入札に参加できないとあって、あわてて削除、19日に再掲されたHPには「全省統一資格」は削除されていたことも判明した。

 結局仕様書は、JEED以外の3社が受け取り、説明会にはJEEDと1社が参加、3月4日の応札期限に企画書を提出したのは、JEEDだけであった。そしてこの案件は予定通りJEEDが落札した。

 これについて同省は、18日の公表段階では、案件が、省内での決済がなされてなく、局長決裁を受けずに、担当者が勝手にホームページに掲載したと説明している。

 同省は、この件に関して、虚為公文書作成の疑いがあるとして、調査するとしている。こうした不祥事が出ると、いつも犠牲になるのは担当者レベルのミスで幕引きとなるのが常識。

 最初の入札案件公示が、担当局長の正式な決済が下りないまま担当者のミスで、HPに掲載したと言う。担当者が公示作業の遅れで、焦りあわてていたと弁明に終始しているが、チェックの厳しい厚労省であり得ない事がまた起きた。

 JEEDは、2003年10月「独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法」に基づいて発足した厚労省所管の独立法人で、障害者事業、高齢者事業、職業能力の開発事業などを手掛ける独立法人。厚労省からのOBや社員が多数を占める。(執筆者:向井 潤)

《編集部》
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