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知っておきたい、わかりやすい収益分配方針の「投資信託」

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知っておきたい、わかりやすい収益分配方針の「投資信託」

 NISA元年、投資をふまえた環境は、ますます活発になっています。その活用法として「投資信託」に関して、お話ししたいと思います。

 まず、皆さんもご存じのように「投資信託」と言っても、とても幅広く種類が多数あります。そこで今回は、カテゴリー別ではなく、わかりやすい収益分配方針のタイプを紹介します。

わかりやすい収益分配方針のタイプ

 このタイプの特徴は、分配金(インカムゲイン)を狙うものとし、原則として決済日の基準価額が当初基準価額1万円(1万口当たり)を超えている場合には、当該超えている部分について、分配対象額の範囲内で、全額分配を行うものです。

 例えば、10年前に設定された投資信託で、年2回決算を行う場合、全部で20回分配金をもうえる可能性はありますが、決済時に基準価額が1万円を超えていなければ、その時の分配金はゼロで、超えていれば全部を分配金として、はき出します。

 もう少し具体的に説明しますと、仮に2004年2月27日設定の投信Aが当初基準価額1万円(1万口当たり)で、決済日は毎年2月27日と8月27日(休日は翌営業日)で、収益分配は、半年ごとに年2回あります。

 繰り返しますが、決済日の基準価額水準が当初元本額1万円(1万口当たり)を超えている場合に限り、その超えている部分について、分配対象額の範囲内で、全額分配を行うとします。(*)

 それを条件として、投信Aは2004年8月~2008年2月までの8回分の分配金が、6000円出たとします。また、2008年8月~2013年2月までの10回分の分配は、基準価額が下回ったため、ゼロとします。

 2013年8月と2014年2月の2回分の分配金が、4000円出たとしたら、合計10年間保有している間に、個別元本(1万円付近で買ったとする)に対して、トータルリターンは、ザックリ考えて1年当たり1000円となり、個別元本に対して利回り10%付近で10年間運用したイメージになります。

 波はあるかもしれませんが、基準価額が下がっている時に、無理して分配する投資信託が多い中、わかりやすく貴重なタイプの投資信託とも言えます。このような投資信託は、上記(*)の文言が、投資信託説明書(交付目論見書)にも記載されているので、確認してみて下さい。

 ご存知の方も多いと思いますが、無理して分配すると、普通分配金内だけでなく、元本払戻金(特別分配金)になり、各自の個別元本が買った時より、気付かぬうちに徐々に下がっているという結果になります。それにも関わらず、分配金は一定額出ていると、全額運用益から分配しているかのように見えて、誤解を生じさせている面が多く、それが「投資信託」のわかりづらさの一面になっているのです。

 ですから、上記の投信Aタイプは、例えば分配直前の決済前基準価額が12,000円超で、決済時2,000円をはき出すとしたら、決済直後に基準価額が1万円にもどるので、その間の1万円付近(若干上がり下がりしている)時に買うのが望ましく、その後投信Aは、次決算の半年後に向かい徐々に基準価額を上げていきますので、半年後からの分配を狙います。

 また、保有期間は中長期的に考えて頂き、仮に保有中基準価額が1万円を下回っても売却せずにいれば、いずれ1万円超になった決算時からまた分配金をはき出すことになると思います。

 注意点としては、投資信託の設定された運用期間がある程度長くないと、基準価額・純資産・分配の推移が見えないので、短い運用期間のものは、避けてほうが良いでしょう。

 いずれにせよ、分配落ち後の基準価額が1万円付近での買付のタイミングが重要になってきます。分散投資の1つとして、好調な運用実績のある、わかりやすい収益分配方針の「投資信託」を活用して見てはいかがでしょう。(執筆者:長坂 保)

《長坂 保》
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長坂 保

長坂 保

東京生まれ。 CHWAN COLLEGE Associate of Science 卒業 (米国)。外食産業を経て、その後経営から離れ、自衛の目的をきっかけとしてFPの知識を高める。 現在は独立系FPとして、生活者の皆様のお役に立てるよう、家計の見直し・資産運用の個別相談業務に努める。 <保有資格>:CFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー、証券外務員二種、貸金業務取扱主任者、 寄稿者にメッセージを送る

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