いよいよ消費税増税となり、活況だった新築マンションや戸建住宅についてはその後の反動が懸念されます。そしてこの消費税はそもそも論で、課税されるものと課税されないものに対する判断が結構ややこしいのでこれらをしっかり把握する必要があります。

新築物件購入と消費税の不可避な関係

 まず土地の売買に関しては”土地の取引は土地が消費するわけではない”と考えるので、課税対象外であります。ただし建物に関しては”課税事業者”による取引であれば課税され、この課税事業者とは”課税期間の基準期間(原則として前々年の課税売上高)における課税売上高が1,000万円を超える”事業者と定められています。

 となると理屈上は新築マンションや戸建住宅も消費税の免税業者から購入すれば4月以降も増税分はもちろん消費税そのものを支払わなくていいわけですが、現実的に売上高が1,000万円以下の分譲業者は考えにくく、また免税業者の価格転嫁分を拒否できないことから新築物件を買う場合には消費税の負担はほぼ不可避であるといえます。

「中古物件=消費税がかからない」は間違い

 そこで注目すべきは中古物件であります。

 中古物件に関しては売主が先ほどの課税事業者であれば、同様に課税されます。そして中古不動産でもその多くが不動産業者を通して流通しているので、すべての不動産が”売主が業者”と考えがちであります。

 しかしそうではなく個人の不動産の仲介して販売委託をされている場合にはあくまでも売主は個人であり、この場合には先の取引主体の原則から照らし合わせれば課税されないことになるのです。ざっくりと”中古物件は消費税はかからない”的な説明がありますが、これは正確でなく課税されるものとされないものがあることを理解して今後の不動産購入対策をされるといいと思います。

個人売買の中古物件を選ぶリスク

 そしてさらに注意すべきことは、この中古物件で”課税されないからお得だ”といって個人が売主の物件を限定して選んでしまうことは考えものです。何故なら建物が存在する土地そのものが同じものは一つとしてないわけでありますし、それぞれの建物の状態も、使用状況により劣化の程度が必ず違っているからであります。

 そこで安いけど状態の悪い物件を選んでしまって修繕やリフォームに消費税の差額以上のコストがかかってしまっては元も子もありません。

 このように不動産の消費税増税対策としては制度の理解に加え、今まで以上に不動産の良し悪しを見抜く目を持つことが重要になってくるのではないでしょうか?(執筆者:田井 能久)