「遺族基礎年金」とは、夫が亡くなったときに、高校生までの子どもや、高校生までの子どもを持つ妻に支給されてきた国の遺族年金制度です。子どもがいない夫婦で、夫が亡くなった場合、妻には支給されません。つまり、遺族基礎年金のキーワードは「子ども」で、教育・養育支援の側面があるのです。

 夫が自営業だった場合も、会社員だった場合も、妻の年収が850万円未満などの要件を満たせば受け取ることができます。しかし、子どもがいる夫婦が共働きをしていて、妻が亡くなった場合には、夫の年収が850万円未満でもこの年金は支給されません。

 昭和30年代にできた国の年金制度は、夫が外で働き、妻は家で子育てという世帯を前提にして作られています。そのため、妻が亡くなったとしても夫には収入があるから遺族年金は不要という考え方でした。

 しかし、雇用が安定しない現在では、夫が必ず働いて収入を得ているとは限りません。失業中の夫が亡くなった場合も、妻には支給されます。その時妻がフルタイムの正社員でバリバリ働いていたとしても。実際、最近は女性の社会進出が進み、共働きが増えています。

 そんな社会の変化に対応して、今月から遺族基礎年金が「父子家庭」にも支給されることになりました。ただそのおかげで、妻が専業主婦の場合でも、亡くなったら夫に支給されるようになりました。会社員の妻は、自分の国民年金保険料を一切払っていないのに、自分が亡くなったら、夫や子どもに遺族基礎年金が払われることになります。

 やや、腑に落ちないですね。

 自営業の妻は、いいですよ。自分の国民年金保険料を払っていいますから。なんだか、年金制度において、専業主婦がますます優遇されているような気がしますね。