4月を迎え、消費税が8%に引き上げられました。この増税によって約6.3兆円の増収になる予定ですが、併せて、社会保障の負担増も重なります。

 年金関係では、国民年金保険料が、毎月210円引き上げられ15,250円になります。この結果約5000億円負担増になり、逆に支給額は、0.7%減額されるため約8000億円給付額が引き下げられます。医療の分野では、診療報酬の改定により初診料が120円、再診料30円引き上げられます。(患者負担は3割~1割)

 また、4月2日以降70歳になった方から窓口負担が1割から2割に引き上げられます。国民の負担増は、消費税増税分と社会保障費負担増を合わせると約8兆円近くになる模様です。

 このことは、日本の経済成長が続いていた間は、政治の仕事は広く日本全体に所得の再分配を行う利益調整の仕事でしたが、少子高齢化が進む中で、逆に国民に負担増を求めていくことが、政治の仕事になってきたという意味を持つと考えられます。

 平成23年度社会保障費調査によると、2007年度の社会保障費全体では、92兆7031億円でしたが、5年後の2011年度には107兆4949億円に増えております。5年間で14兆8000億増えておりますので、1年当たり3兆円程度社会保障費は増えている計算です。消費税を3%引き上げても、なかなか社会保障の充実にまでは、手が届かないのが現実でしょうか。

 国民負担率という言葉をご存知でしょうか?

国民負担率=(税金+社会保障費)÷国民所得×100%

 で、表されます。ざっくりといえば、給与総支給額から天引きされる部分の比率です。平成26年度見込みでは、41.6%となっております。(財務省のホームページ参照)

 この比率に財政赤字分を加えた率を潜在的国民負担率と呼んでおりますが、こちらは51.9%となっています。この比率も、昭和45年には24.3% 平成元年には37.9% 平成26年には41.6%と増加しております。

 昭和の良き時代には、給与額面の75%が手取り額となっていたものが、今や60%で生活設計を考えなくてはいけない時代になってしまいました。財政赤字の負担まで考慮すると給与の約半分しか使えない時代が迫りつつあることになるのでしょうか。理屈では理解できても、せつない時代になりました。(執筆者:渡邉 誠)