昨年4月に創設されて話題になった、教育資金一括贈与の非課税制度。制度がスタートして1年が経ちますが、大変な流行になっていて、金融機関への問い合わせも多いようです。

 贈与を受ける側の方からの問い合わせだけではなく、贈与する側の方からの問い合わせも多いそうで、かわいいお孫さんのためにお金を残してあげたいという気持ちがうかがえます。しかし、思わぬ問題も少しずつ、表面化してきたようです。

「教育資金一括贈与」のメリットと注意点

 この制度は、祖父母・父母が子や孫に教育資金を一括して贈与する際に、子・孫1人に対して1,500万円までの贈与を贈与税の非課税扱いにするというものです。

 メリットは、一度に大きな金額を相続財産から切り離すことが出来ること。気を付けたい点としては、その資金の用途が教育目的に限られること、受贈者が30歳になった時点で口座に残った金額に贈与税が課税されてしまうこと等があります。

思わぬ問題が浮上することも

 さらに注意したいのは、非課税となるのは「受取人一人につき1500万円まで」という点です。

 少子高齢化の影響で、お孫さんが一人だけというご家庭も珍しくありません。一方、相続税の基礎控除額縮小の影響を受ける祖父母はというと、父方母方で最大4名。両家とも相続税対策をしたい…。孫にも振り向いてほしい…。こうした想いから、1500万円の非課税枠の「奪い合い」が始まってしまうことがあるのです。

 また、「長男の孫には贈与するが、次男の孫にはしない」といったことなども、後々のトラブルに発展しかねません。贈与をする際には当人同士だけで決定しないで、一族総出で贈与計画を立てるのが理想的です。将来を担う大切なお孫さんの成長に関わることなのですから。(執筆者:髙原 誠)