あなたは、何のためにお金を貯めていますか?

 あなたは、お金を貯めたいですか?

 投資で儲けたいですか?

 それは、何のためですか?

 家計管理の相談現場では、数字が命。数字とは、収入や支出、金融資産の残高のことです。それはまさにその通りなのですが、収支額や資産残高と同じぐらい、意識して頂きたいのが「目的」です。

 どういうことでしょうか。

 あなたは、その貯めたお金を、いつか、使います。使う時のために、今あなたは、お金を稼いだり、貯めたり、節約したり、運用で殖やしたりしているのです。

 お金の流れを考えたとき、入口は、お給料やご商売などで家計に入ってくるお金です。一方、出口は、商品やサービスを買う時の、代金の支払いです。入ってから出るまでの間、あなたのお財布や金融機関の口座に滞在しているのが、金融資産です。

 極めて当たり前の話をしてしまいました。

そのお金は、いつ、何のために使うのですか?

 マネープランニングでは、この点に注目して、時の流れも考慮しながらお金の出入りを計画します。この時、出ていくお金について、高い関心を持ってみましょう。

 漠然とお金を貯めている、収入から何となく計算された金額を惰性で積み立てている、「いつか使う時のために」貯蓄をしている……こういう方は少なくありません。

 私のFP相談などの経験上、このような「漠然と」感を持っている方は、月々の家計のやりくりと積立や貯蓄などの金融資産とが上手にリンクされていないように感じられます。月々の家計がちょっとした赤字になってしまい、漠然と貯めていた口座から一時的にお金を移動させた、などというのは「漠然と」タイプの方の典型的な例です。

 もともとその口座が「家計赤字補てんのため」という目的なら良いでしょう。目的もなしに貯めていた口座から、ずるずると家計にお金を異動させていたら、いつまでたってもその残高は殖えません。

 ではどうしたら良いでしょうか。お金があなたの手元に滞在している間、出口について、意識をすることです。

お金の出口戦略

 つまり、「このお金は、●●のために、n年後に使うお金」とゴールを決めることです。「このお金」は「これから貯めるお金」であることも多いでしょう。その場合は、「n年後の●●のために、X万円までお金を貯めよう」という意識です。

 この意識を持てば、目標に向かってお金を貯めやすくなります。節約するモチベーションを高めることができます。がんばって働く意欲がわきます。

 積立額を始める時は、「収入がX円だから、毎月x円の積立ができる」と考えて積立額を決める方がほとんどでしょう。その時に、「何のために使うお金か」という目的も決めてしまうのです。もちろん、明確な目的がない使い道だってあるはずです。それはそれで、「想定外のことが起こった場合の資金」「月々の家計の赤字を補てんするための予備口座」としておけばよいでしょう。

意義のあるお金の使い方

 また、出ていくお金の意味にも、もっと意識を向けましょう。そうすれば、同じ金額でも、もっと意義のある使い方に代わるはずです。

 例えば、お子さんの習い事や通信教育など。どういう目的で習っているのかを明確することで、適切な支出かどうかが判断できます

 スイミングで言えば、「学校の授業で困らない程度に泳げること」が目的なのか、「体を鍛えること」が目的なのか、「選手クラスで大会の上位入賞を目指す」のか。お子さんの通信教育では、ややもすると提出締切日に「とりあえず出しなさい」と言う親御さん。心の中から「せっかく高いお金を払っているんだから」と言う声が聞こえてきそうです。本来は、「お金を払っているのだから」課題を提出するのではありませんよね。

 例えば、ちょっといいお値段の洋服を買う時。金額的には奮発するような額だったとしても、それを身にまとった時の満足感を考えたり、いくつものコーディネイトが可能だったりすることを考えれば、高いコストパフォーマンスが得られる場合があります。それは、金額がどうのこうの以前に、良いお金の使い方をしていると言えます。

 せっかく毎日がんばって働いているのです。お財布とにらめっこでやりくりに苦心しているのです。ぜひ、使う目的に意識を向け、意義のあるお金の使い方をして下さい。きっとあなたの人生が心豊かなものになると思いますよ。それこそが、お金に振り回されない人生と言えるのではないでしょうか。(執筆者:石原 敬子)