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婚活と不動産投資の関係 同時期におこなうのはアリ?ナシ?

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婚活と不動産投資の関係 同時期におこなうのはアリ?ナシ?

 婚活サイトに身分を隠して登録していた不動産業者などから、リスクの高い投資用マンションを騙されて購入したとして損害賠償を求めた裁判が、今月始まりました。

 今年の1月に国民生活センターから、デート商法的手口として投資マンションを購入してしまったというトラブルが急増しているという報告書が上がっていますが、近年その増加の程度が著しいようです。そして、その契約者の多くが30代の女性で、80%が給与所得者でありながら購入金額の平均額が3,012万円と、けっこうな高額なことから問題の深刻さが伺えます。

不動産購入前にすべき基本的なこと

 こういう問題が表面化すると、”騙す方”が悪いのか”騙された方”が悪いのかという議論になりますが、意図的に騙しているならもちろん騙す方が悪いに決まっています。

 しかし、大変申し訳ないですがその相談事例を見ると、不動産を購入するにあたっての基本的な手続きを欠いている点が見られます。 というのも”不動産を見ないで購入する”とか”相手が新築といったから新築だと思ったら中古だった”とか”購入した後に相場を調べたら高い買い物だった”などなど何故購入前に調査しなかったのか? という素朴な疑問を持つものがあります。

 いろいろ調べたりすると相手を疑っていると思われ、嫌われるのが怖かったという理由のようですが、訴訟に持ち込むまでの勇気や裁判で戦うための資料の収集の労力を、なぜもっと早く発揮して頂けなかったのかが残念でなりません。

婚活と不動産投資を同時期に行うのはどうなのか?

 そしてそもそも論として、結婚を考える時期と投資を考える時期が同じでいいのかどうか、という問題があります。

 個人的な意見としては、30代で老後対策としてのマンション投資を考える方もいますが、一部の方を除き30代の投資対象は”自分”であるべきだと思います。キャリヤアップのために勉強したり、仕事をがんばって会社での実績を積んで自分の価値を上げた方が、老後までに獲得できる収入が多くなる可能性が高いです。

 30代のうちに買ったマンションは、間違いなく購入者より早く年をとり市場価値を失いますが、自分に投資をした方は60歳だろうが70歳だろうが輝き続けると思うからです。

 婚活という人生の重要なパートナーを判断しなければいけない時期は自分磨きに勤しみ、40代とか50代になって今までの知験を活かしてじっくり投資判断を検討すればいいと思いますが、いかがでしょうか?

 とにかく被害にあわれた方の経済的や心理的な負担は大変なものなので、なんとか救済できるような司法の判断が求められますし、我々不動産鑑定士業界もこのようなトラブルを回避するため、気軽にご相談いただけるような体制を整えていかなければと思いました。(執筆者:田井 能久)

【外部参照】
婚活サイトなどで知り合った相手から勧誘される投資用マンション販売に注意!!-ハンコを押す相手は信ジラレマスカ?-( 国民生活センター)

《田井 能久》
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田井 能久

執筆者:不動産鑑定士 田井 能久 田井 能久

株式会社 タイ・バリュエーション・サービシーズ 代表取締役/専任不動産鑑定士 大学卒業後、国内最大手の不動産鑑定事務所に勤務し、1995年に不動産鑑定士資格を取得。その後、米国系不動産投資ファンドに転職し、資産評価業務を担当。全国各地でさまざまな物件の現地調査と価格査定を行った。2006年に独立し、株式会社タイ・バリュエーション・サービシーズ(http://www.valuation.co.jp/)を設立。1,000件以上の評価実績を有し特に相続や訴訟に関連する案件を得意とする。海外事業では滞在型余暇を楽しむ人に助言する「ロングステイアドバイザー」業務を行い、2015年にマレーシアの企業と業務提携開始。MM2H取得アドバイス業務や海外不動産投資アドバイスを行い(https://malaysia-longstay.com/)自身も2018年にMM2Hを取得。元愛知大学非常勤講師で現在セミナー活動もしながら各種WEBメディアに記事提供を行う。 <保有資格>:不動産鑑定士 寄稿者にメッセージを送る

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