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節約をすることに満足してしまうと貯蓄額は増えない

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節約をすることに満足してしまうと貯蓄額は増えない

 公的年金がまともに貰えるかどうか分からない時代、貯蓄や運用に視線が集まり、そして、貯蓄や運用をするための節約が俄然注目を浴びてくる時代なのでしょう。消費税だって何処まで上昇するか分からない時代なのですから。

「貯蓄額を増やしたいから節約をしたい」

 貯蓄額を増やすために節約をすると言うのは手っ取り早い方法です。貯蓄を増やすには2つの方法があって、収入を増やすか?支出を減らすか? 収入を増やすということは自らがコントロールが出来ない部分も大きいでしょうから、支出を減らすと言う方法に動くのは当然なのかも知れません。

「やり玉は常に保険とマイカー」

 節約となるとまず保険の見直しが挙げられ、同時にマイカーに視線が集まります。無駄なモノの代表選手であるというイメージなのでしょう。仮にこの二大巨頭にメスを入れ、思惑通りに保険の見直しをし、マイカーを手放して年間50万円の資金が浮く計算になったとします。すごいですよね。これだけあっさり資金が浮いてしまえば、節約をする価値もあるというものです。

 そして実行に移すとたいていの場合は、ここで満足してしまうのです。年間50万円の資金が浮いたことに満足してしまう。しかし、ここまででは節約は出来ていても目的は達成がなされていません。節約で大切なことはここからなのです!

「目的は何処に置いてきたの?」

 保険やマイカーなどに手を入れて年間50万円の節約に成功!これだけを聞けば非常に素晴らしい話になりますが、何のために節約をするのか?を思い出して下さい。「貯蓄額増加」が目的ですよね?

 保険やマイカーに手を入れたのは、目的を達成するための手段ですから、手を入れて50万円の節約をしただけでは目的は達成できていないのです。貯蓄額が増えてはじめて目的が達成となるのです。

「支出項目の移行」

 試算で年間50万円の節約ができるとなっても、月々4万円程度です。一気に50万円の現金が手元に入ってくるのならば定期預金にでも出来るかも知れませんが、毎月4万円ずつ貯めていく必要があるわけです。ちょこっと無駄遣いしてしまうと4万円くらいすぐに使途不明金となります。

 保険やマイカーに手を入れて年間50万円を浮かせても、1年後に貯蓄額が50万円増加になっていなければ意味のない節約になってしまいます。厳しい話をすれば、支出項目が保険やマイカーから使途不明金に移っただけで、支出と言う観点から見たときには、何の変化もない結果が待っているかも知れません。

「使途不明金をなくす」

 節約している自分に酔いたいだけならば、目的が達成できなくとも良いのですが、目的を達成するために節約をするのならば使途不明金を減らすことが大切であり、1年後の貯蓄残高が節約した分だけ増えていることが当たり前なわけです。

 現在のあなたのキャッシュ・フローはどのようになっていますか? 使途不明金は少額でしょうか?

「実態とイメージの乖離を埋める」

 簡単に判別するには、イメージしている月間収入から月間支出を大雑把で良いので引いてみて下さい。月間50万円の手取りがあり、月間の支出がだいたい40万円だとイメージしているのならば、10万円が残るはずです。1年後に120万円の残高増となるのが普通ですが、あなたのイメージと実態の乖離はどのくらいありますか?

 乖離がなければないほど優秀です! しかし、大きな乖離があってもご安心下さい。たいていの場合、びっくりするくらいの乖離があるものですから…

「常に考えておきたいこと」

 もし、節約をするのならば、目的を明確にし、定期的にチェックすることが必要となります。目的が曖昧になってしまうと達成できるモノも出来なくなってしまい、ピントのズレたことを平気でやってしまいがちです。せっかく節約をするのですから、目的を達成したいですよね!(執筆者:中村 毅)

《中村 毅》
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けせらせらファイナンシャルプランナー事務所 金融資産運用アドバイザー たった一度切りの人生、楽しく生きないと!FP面menが語る、現場の声をお伝え。ファイナンシャルプランナーが毎週最新記事を配信する有料メールマガジン。現場の声は現場にいる人間しか解らない。その現場の声を毎週お届けしています。 寄稿者にメッセージを送る

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