皆さん、こんにちは。今日は「確定拠出年金の基礎」というテーマで述べたいと思います。

 確定拠出年金(DC)とは、厚生年金基金や適格退職年金等の確定給付型年金(DB)と異なり、将来の年金支給額が決まってなくて企業が拠出した「掛金」だけが決まっており、その掛金の運用収益によって将来の年金が支給されるという制度です。

 つまり厚生年金基金等の確定給付型年金の場合は「支給額」が決まっており、運用リスクは企業等が負いますが、確定拠出年金の場合は「掛金額」が決まっており、運用リスクは運用者つまり年金加入者が負います。この点が確定「給付型」と、確定「拠出型」という名前の由来です(笑)。

 次に確定拠出年金には、「企業型」と「個人型」があります。

 企業型というのは、企業が確定拠出年金を採用した場合、その従業員が加入対象になります。年金制度がない企業の従業員や、自営業者等(国民年金第1号被保険者)は、個人の資格で国民年金基金連合会が実施する個人型になります。

 掛金の額ですが、

1. 企業型の場合

 企業のみが拠出でき、拠出(掛金)限度額内でも従業員は拠出できません。
  → 但しこの点、法律による改正で従業員も拠出できるようになりましたが、実際は企業と組合との協議で決まります。

 他の企業年金制度がある場合の掛金限度額は、月25,500円となります。逆に、他の企業年金制度がない場合(確定拠出年金しかない場合)の掛金限度額は、月51,000円となります。

2. 個人型の場合

 企業には属しているが、企業が確定拠出年金を採用していない場合は、個人の資格で申し込む事になり、掛金限度額は月23,000円となります。掛金納付に関して、事業所が協力してくれれば給与天引きが可能です。

 上記以外の自営業者等の場合は、国民年金基金と合算して、掛金限度額は月68,000円となります。

注)上記拠出限度額も、法令改正で毎年のように変更されていますので、注意して下さいね!

確定拠出年金独自の機関

 又、確定拠出年金独自の機関として、「運営管理機関」と「資産管理機関」があります。運営管理機関とは、個別の運用商品の提示や情報提供、加入者の運用指図の取りまとめや個人毎の持分等に係る記録管理等を行うものです。

 これに対して資産管理機関は、企業等が拠出した掛金を年金資産として、分別管理・保全等を行うものです。

掛金を実際に運用する場合の注意点

 最後に、掛金を実際に運用する場合の注意点を述べたいと思います。まず自分の資産全体を考えた上で、確定拠出年金で運用する部分を考えて下さい!

 例えば実際の加入者の運用状況を見ると、バランス型ファンド(株・債券等でバランスよく運用するファンド)で運用してる人が多いみたいですが、通常で運用する場合と、確定拠出年金で運用する場合とでは異なります。

 一番大きな違いは、確定拠出年金で運用する場合は、中途引出しができませんが、税金が繰り延べされます。税金が繰り延べされるというのは、運用中は税金がかからないという事で、これが確定拠出年金の一番大きなメリットです!

 例えば通常、投資信託で再投資する場合を考えると、再投資される分配金は既に税金が天引された残りですよね。確定拠出年金では、分配金が出ても税金が天引きされないで、全額再投資されるという意味です。その為、もし通常の運用を国債等債券中心で行っている場合は、確定拠出年金では株式中心で運用 する方がいいかもしれません。

 あくまで確定拠出年金の中だけで考えるのではなく、自分の資産全体の一部分としてとらえ、「課税の繰り延べ」というメリットを最大限生かせるような運用、つまり運用商品を選んで下さいね!

 どうでした? ざっと述べましたが、少しは理解して頂きましたでしょうか? 今日は、余り肩も凝らないで、割りと理解しやすかったのではないでしょうか?

 現在、欧米の会計基準に合わせるべく作業が進められてますが、退職給付債務への積立が出来ていない場合は、B/S上の注記ではなく負債に計上される事になるようです。
そうなると、少しでも負債を圧縮させたい企業は、現在の確定給付型年金を取りやめて、確定拠出型年金(退職給付債務への積立なし)へ移行するかもしれません?

 いつ自分が加入する事になるか分かりませんから、他人事だとは思わず、ポイントぐらいは是非理解しておいて下さいね(笑)! 今日は、ここまでです。(執筆者:大川 正吾)