住宅ローンを借りるには、事前に金融機関の審査を受けてOK評価をもらう必要があります。金融機関は、ちゃんと返済してくれそうな人にしかお金を貸さないのです。

 審査項目には次のようなものがあります。

1. 勤務先、勤務年数、雇用形態

 ローンを借りるときに断然有利なのが、大きな会社の正社員。雇用が安定しているため、円滑に返済される確率が高いですね。

 自営業者は借りるのが難しいですね。借りられるにしても、借りられる金額が少なくなることが多いです。契約社員も派遣社員も、雇用が不安定なので、厳しい場合が多いですね。

 ですから、住宅ローンを借りる予定があるのなら、借りるまで正社員で働いている会社を辞めないのがコツ。辞めるなら、借りてから辞めること。また、転職したくても、借りるまで転職しないのが、鉄則です。

 勤続年数も一般的には「3年以上」、「1年以上」など、金融機関ごとにルールが決まっています。ただ、借りてしまえば、あとはどんな進路に進もうが構いません。転職しようが独立しようが、返済を続けることができればいいのです。

2. 収入、返済負担率

 会社員の場合、額面年収によって、借りられる金額の枠が決まります。

 返済負担率は、「1年間の返済額/額面年収」のことで、たとえば、「返済負担率35%以内」という基準にしている金融機関の場合、年収700万円の人は、1年間の返済額が、年収の35%の245万円を超える金額は貸してくれません。

 年間返済額245万円といえば、毎月約20万円ですから、返済負担率を基準に考えると、かなり貸してくれると考えることができますね。一般的には家計にムリをきたさない返済負担率の範囲は25%以内と言われますが、私は、20%以内くらいじゃないと家計がキツキツになると思っています。

 自営業の場合、節税のために経費を厚く計上している人が多く、たとえば、収入が700万円、経費が400万円の人の所得は300万円になります。

 自営業者の返済負担率は、「1年間の返済額/所得」なので、返済負担率35%以内の金融機関では、1年間の返済額が105万円(月約9万円)を超える金額は貸してくれません。これでは、欲しい家が買えない、、、ということにもなりかねません。

 このように、自営業者は借金がしにくいのです。

3. 年齢

 多くの住宅ローンは、最長35年、かつ、完済年齢は80歳未満としています。したがって、借りるときの年齢によって、返済期間がある程度決まります。

4. 健康状態

 ほとんどの民間の住宅ローンでは、団体信用生命保険に加入しなければ、ローンを借りることができません。そして、団体信用生命保険は、健康状態が良くなければ加入できません。ローンを返済している人が亡くなった場合に、この生命保険から払われる保険金で残債が一括で返済される仕組みになっています。

5. 他の借金の状況

 自動車ローンや消費者金融など、ほかに借金があったり、その支払い状態が悪く滞納があったりすると、不利になります。

6. 家と土地の担保価値

 住宅ローンを借りるときには、家と土地に抵当権が設定されます。ローンの返済が滞ったときに、最後は家や土地が競売にかけられ、売却金がローン返済に充てられることになるため、担保評価によっては、借りたい金額が借りられないこともあります。建築基準法に則っていない建物などは、厳しいですね。(執筆者:中村 宏)