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ガソリン価格が高い理由は「二重課税」にあり

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ガソリン価格が高い理由は「二重課税」にあり

 皆さんこんにちは! いよいよ夏本番の暑さが到来してきましたね。学生達は夏休みに入り、これから行楽日和が増えてきそうですね! そんなバカンスに故郷へ帰省される予定の方や、車で遠出をしようと考えている方も多いのではないでしょうか。そこで、車生活で目を背けられないのがガソリン価格です。

 いやぁ~ガソリン高いですね~!! レギュラーガソリンの価格はここ12週連続で上昇して、1リットルあたり170円に迫る勢いです。このままの高止まりが続くともちろん家計を直撃しますし、運輸業界も悲鳴をあげる事になります。これは緊迫するイラク情勢が影響している事は言うまでもありません。ですがここに来て少し楽観的な見方が広がって、原油価格は足元で少し下がり始めたみたいです。

 ではこのガソリン価格、そもそもなんでこんなに高いのでしょうか。ガソリンというのは、元々は原油から作られています。原油というのは、黒くドロっとした微生物の死骸です。これを蒸留してガソリンなどが作られているわけです。

ガソリンが高い本当の理由は「二重課税」にあり

 では現在のガソリンがかなり高くなってしまった原因を探ってみましょう。まず、このガソリン価格の内訳を見てみましょう。

1リットル160円だとすると、その内訳は…

●原油代 63円
●精製コスト(運賃、販売コスト、利益分、保険料などを含む) 33円
●税金(関税、石油税、ガソリン税、消費税) 64円

 と、こんな感じになります。これを見て皆さんどう思いますか?

 税金、高いですね~! ガソリン価格はそのものの本体価格に大きな税金が重くのしかかっているのです。この上乗せ分の税金のうち、暫定税率というものがあります。これは1リットルあたり約25円を上乗せして、道路財源に充てているものです。

 これは、一時的に課せられていて、ガソリンの平均小売価格が3ヶ月連続で1リットル160円を超えれば、この上乗せ部分の暫定税率が停止されるという仕組みがあります。でも、既に3ヶ月連続で160円を超えているはずなのに、なぜ停止されずにそのまま続いているのでしょうか。

 これは、東日本大震災の被災地復興の財源に充てるという事になったからです。もちろん被災者の復興財源は必須ですので、これは致し方ありません。ですがこの税金、実は構造上二重課税になっているのです。

 これは非常に有名なお話です。ガソリンそのものの本体価格にこの税金がかかってくる訳ですが、この税金を足した金額全体に対して、更に現在では8%の消費税が課せられています。という事は、ガソリン本体の価格だけでなく、これに上乗せされた税金分に対しても、更に消費税がかかっているという正に二重課税の構造になっている訳です。この二重課税、だいぶ前から騒がれ続けていて、ガソリン価格が上がれば必ずと言っていいほど出てくる定番メニューの話題です。笑

 自動車メーカー各社がエコカーなどを開発して企業努力でどんどん燃費を良くしようとしているにも関わらず、一方でガソリン価格などのランニングコストの上昇はその努力をカンタンに埋めてしまいます。

商品の価値を左右するランニングコストやコンテンツ

 これらはテレビなどの家電にも例えられます。先日、ちょっと時間が有ったので某大手家電販売店でテレビを見てきました。テレビを買おうと思った訳ではなく、最近のテレビ情勢を見てみようと思ったのです。

 そして店頭に並んでいるテレビを見てビックリ! 3D画像のテレビもあり、画面から立体で飛び出してくるあのリアル感はかなりビックリしました。また、4Kと呼ばれる、ハイビジョンを超えた究極の画質、あれは正に絵画や写真の様な芸術にも見えました。

 ですが、そんなにすごいテレビが最近下火なのは、やはり番組のコンテンツにあるかと思います。言っちゃ悪いですが、本当に最近のテレビ番組は面白くないものが多すぎる(あくまでも私個人の主観ですが)笑 これではテレビ離れが進行するのもムリがないかもですね。

 こういったメーカーたちが必死の研究を重ねて、素晴らしい商品を作っているにも関わらず、そもそものコンテンツが面白くなかったらテレビを買って見たいとも思わないのです。

 これは車も似ていて、いくらメーカーが企業努力でエコカーを作って燃費を良くしても、それを追いかける様にランニングコストが上がっていれば車を手放さざるを得ない人も多くなるのです。

 その車のランニングコストの王者、ガソリン価格が上がる理由は様々です。

●中東情勢の悪化による原油価格そのものの上昇
●円安による輸入コストの上昇
●運輸コストの上昇
●課税関係

 などなどカンタンに大きく分けてもこれだけの要因があります。まあどんな理由にせよ、価格が上がれば家計を圧迫している事に変わりはないですね。

カーライフのランニングコスト削減の余地はまだある

 これが都心部に住む方なら、車を手放して電車などの公共交通手段での生活に切り替えたり、カーシェアリングというものに切り替えてカーライフにかかるお金を大幅に削減する事もできます。ですが、地方在住の方でしたら、車が生活に密着しているので、なかなか手放す訳にもいきません。また、カーライフにはこれ以外にも多くのお金がかかってきます。

・車のローンの支払い(ローンがある方)
・自動車保険
・駐車場代
・車検代
・洗車代やタイヤ交換

 などなどガソリン代以外にも目に見えないところでいろんなお金がかかってきます。ですのでカーライフというのは家計の見直しをする際には大きなポイントの一つになってきます。これらのランニングコストは見直す余地がまだ有るのではないでしょうか。

 皆さんもカーライフ、一度見直してみてはいかがでしょうか。というわけで今日は高騰するガソリン価格の実態に迫ってみました。さて、これから夏本番! 猛暑にはくれぐれも注意して、健康管理を大事にしてくださいね~!(執筆者:伊藤 尚徳)

《伊藤 尚徳》
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伊藤 尚徳

伊藤 尚徳

FPギャラリー 代表 金融機関での事業資金融資部を8年間経験し、その後日本で数人しかいない、トップコンサルタントの元、自身もファイナンシャルプランナーの道を歩み、その後独立。FPは特定の分野に特化したものだけではいけないと、資産運用や保険・年金、税金、不動産、相続・事業承継など、法人・個人問わず全ての分野においてのコンサルティングを展開。その理念に基づいて事業所名をFPギャラリー(ファイナンスの画廊)として、多くの法人・個人のファイナンスの問題を解決している。大手1部上場企業やマネースクールなどでのセミナーでも定評が有る。 寄稿者にメッセージを送る

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