19日、オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀行(RBA)が、5日に開催された政策決定会合の議事録を公表しました。

 オーストラリアの金融政策は、「社債投資まとめ!」でもチェックしている豪ドル債にも大きな影響がありますので、今回の政策決定会合の概要や背景について見ておきましょう。

オーストラリア準備銀行 政策決定会合 議事録の内容

 オーストラリア準備銀行(RBA)が公表した政策決定会合議事録の骨子は以下のようなものです。(※議事録へのリンクは最下部”外部参照”に掲載)

・経済成長見通しは、様々な要因が働いており非常に不透明。低金利による住宅市場の回復はプラス。一方で、鉱業投資の鈍化、財政健全化、豪ドル高はマイナス要因
・労働市場には著しい余剰があり、失業率が持続的に低下するまでにはまだ時間がかかる
・GDP成長率は2014/2015年にはトレンドを下回って推移し、その後は持ち直す
・金融政策は適切であり、金利に安定期間を設けることが最も賢明→政策金利は2.5%に据え置き

 全体としては、オーストラリアの経済成長にマイナスとなる国内外のリスク要因を多数認識しつつ、もう少し様子見したいといった内容です。

オーストラリア 金融政策の見通し

 オーストラリア経済は、端的にいえば、輸出に対する弱気な見方と、内需に対する強気な見方とが併存しており、先行きがなかなか見通しづらい状況になっています。

 輸出については、中国の景気が減速したことで主要輸出産品である鉄鉱石価格が下落し、経済成長の足かせとなっています。

 一方で、住宅部門をはじめとする内需については強気の指標も出ており、内需主導型での経済成長を持続できるのではないかという見方もあります。

 一つ懸念されている指標が失業率です。オーストラリアの失業率は2012年以降じわじわと悪化し、現在は6%を超える水準に達しています。これは2002年以来12年ぶりの悪い数字です。直近の7月にも失業率は悪化しているため、利下げを含めた追加緩和の可能性があるのではないかと考えられています。

 たとえば、金利スワップ指数などの指標からすると、マーケットとしては今後1年間くらいのスパンでは0.10ポイント程度の小幅な利下げを予期しているようです。

 マーケットとしては追加緩和が予想されてはいますが、オーストラリア準備銀行(RBA)としては、まだ方向性を掴みかねており、現段階では現状維持すべきという判断に至ったようです。

豪ドル投資における留意点

 オーストラリアの経済成長やオーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策については、プラス要因・マイナス要因が混在しており、当面の見通しは不透明です。

 ただし、インフレ率は今のところ安定しており、豪ドル相場も高い水準にあるため、よほどインフレ率が上昇するようなことがない限りは、少なくともオーストラリア準備銀行が利上げに踏み込む必要はあまりなさそうです。一方で、今後さらに経済成長の減速や失業率の悪化が顕著になれば、利下げを含めた追加緩和に踏み切る可能性は十分にあります。

 こう考えてみると、オーストラリアの金融政策のシナリオとしては、「現状維持」か「小幅利下げを含む追加緩和」のいずれかになる可能性が高そうです。オーストラリアが追加緩和をする場合には、他方で米連邦準備委員会(FRB)が予定通り少しずつ金融緩和を縮小していくとすれば、対ドルでは豪ドル相場を下押しする力が働くことも想定しておいた方がよさそうです。(提供:社債投資まとめ!)

【外部参照】
Minutes of the Monetary Policy Meeting of the Reserve Bank Board – 5 August 2014)