50代の個人投資家が手掛ける資産運用の中で最も多い運用法である株式投資。(普通・定期預金除く) 株式投資を成功させるために、身につけておくべき思考パターンというものがあるのをご存知ですか?

 それは… 長期的思考です。

 目先の事だけを考える短期的思考ではなく、先のことを考えられる長期的思考があってこそ株式投資で成功できるのです。これは株式投資だけに限らず、その他資産運用にも通じるものがありますから、この思考パターンを是が非でもマスターしたいところです。

短期的思考では痛い目に遭うことも

 将棋を知っている方はご存知だと思いますが、将棋棋士は相手の何十手先を読んで一手一手指すそうです。これは典型的な長期的思考によるもので、その思考パターンをもって将棋に挑んでいるわけですね。

 実は株式投資も同じ思考パターンが必須で、一手指す(株を買う)前に長期的な思考力を働かせなければなりません。というのも、対象となる企業には様々な要素が絡んでいるんです。例えば…

◆どのような事業を営み、どのように利益を出している会社なのか?

◆会社の将来性はどれほどのものか?

◆現在の会社の財務状況は如何なものか?借金はどれほどあるのか?

 事業経営、収益構造、将来性、財務状況などなど、考えなければならない点は幾らでもあります。こうした株式の背後にあることをじっくり考え分析できる、長期的思考パターンは欠かせません。

 この会社の配当率は高いから、優待商品が魅力だから、といった目先の事しか考えられない短期的思考で株式投資をすると痛い目に遭うかもしれません。上で挙げた各要素が確固たるものであるからこそ、配当や優待を期待できるもの。長期的思考が如何に大切か、お分かりいただけると思います。

「割安株」の簡単な見分け方

 しかし、素人の私たちが一企業をプロ並みに分析するのは簡単ではありません。そこでご紹介したいのが、企業としての価値が高いのに株価が割安となっている「割安株」の簡単な見分け方です。この方法で各企業を分析するだけで、株式投資の成功へ向けて一歩踏み出せるはずです。以下の計算法を頭に叩き込んで下さい。

BPS + (EPS×10)=理論株価

 BPSは1株株主資本のことEPSは1株利益のことです。なぜこれらを足すと理論株価になるかを説明すると長くなりますので省略しますね。ここでは理論株価を知る計算式として一先ず覚えて下さい。

 ちなみにEPSに関してですが、来年と再来年の予想価格の平均を利用するとより適正な計算ができます。分かりやすいように例を挙げてみましょう。

 カルラ(証券コード2789)を例にとってみます。

 BPSは522.2。EPSは15年度予想が35.0、16年度が41.6ですので、平均値は(35.0+41.6)÷2=38.3となります。

 10年間で出す利益として考えますので、EPS平均値 38.3×10年=383.0が10年間のEPSです。(※BPSとEPSは東洋経済新報社発行の会社四季報に基づく)

522.2+383.0=理論株価905.2円

 これがカルラの理論株価となるわけですが、2014年9月9日の終値が434円。ということは、約471円も理論株価から乖離している、つまり「割安」というわけですね

 カルラの優待は、100株以上で1000円相当の食事券、配当は10.00円(100株単位の株式なので、実質1000円)。割安でしかも優待・配当があるとなると、ある人にとっては魅力的に映るかもしれません。ただし、あくまでも参考程度に。

 以上のように、長期的思考に基づいて理論株価を計算するだけで、無鉄砲な株式投資を避けられるだけでなく、株式投資成功への第一歩となります。その他にも考えるべき点や注意点はありますが、まずはこの方法を試してみて下さいね。(執筆者:堀 聖人)